今日からあなたもネットショップオーナーに!

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ネットショップオーナー

商品やサービスを販売するにあたり、いくつもの販売手法がありますがその中で今回はネットショップで販売するノウハウについてご案内いたします。

ネットショップを始めたいけど、一歩を踏み出せない企業経営者にお話を伺うと、

  • 何から始めたらいいのか分からない。
  • ネットショップを運営している余裕がない。
  • どこのネットショップのシステムが良いのか分からない。

といった声をよく聞きます。
せっかく良い商品を扱っているのに、通販で販路を拡大しないなんてもったいないです。
「ネットショップを開設する」となるとどこか敷居が高いように感じる方も多いと思いますが、
システムによってはショップの開設自体は決してそんなに大変な事ではありません。

最後までお読み頂き「こんなに簡単に始められるのなら明日からやってみようかな」
思って頂けると幸いです。

現代の生活に欠かせないネットショップ

まずはネットショップがどの程度私たちの生活に浸透しているか見てみましょう。
日本国内のネットショップの利用者は約9割にも上っています。
しかも若者だけに限った話ではありません。
80歳以上の高齢の方の利用率も大きく上昇しています。

もはやネットショッピングは若年層だけのものではないのです。
ネットショップを利用する主な理由としては

  • 「店頭よりも安い」
  • 「買い物に行くのが面倒」
  • 「近くに欲しいものを扱っている店舗がない」等です。

また、ストレス発散のためにネットショッピングを利用する方も意外と居るようです。

このようにネットショップは、現代の生活には欠かせない商品の購入手段となっています。
そんな便利な生活の原点はどこにあるのか、今度は歴史を少し振り返ってみましょう。

通販の歴史

通信販売の歴史を遡ると、1876年(明治9年)に、農学者である津田仙が雑誌上で
トウモロコシの種を販売した事が元祖と言われています。

その後、1911年に三越呉服店が初の電話での注文を開始。
その後も通販業界は市場のニーズの拡大とともに成長を続け、戦後の高度経済成長期を
きっかけに急拡大し新規参入が相次ぎました。

そして1970年には、今やおなじみの日本初のテレビショッピングが開始となりました。

ネットショップの元祖は、1993年にデオデオがインターネット上で
洋書の販売を行った事が日本初のネットショップと言われています。
その後、1996年にエム・ディ・エム(現在の楽天株式会社)が「楽天市場」を
開設した事を皮切りに、インターネットの普及とともに次々新規参入として
ネットショップがオープンしました。
ちなみにYahoo!ショッピングは99年に、Amazon(日本)は2000年に
オープンしています。

ネットショップを出店しよう

実際にネットショップを出店するとなった場合、初めに選択すべき事項があります。
それは、「モール型」「自社ECサイト型」という事です。

それぞれメリットとデメリットがありますので、この後詳しくご紹介させて頂きます。
現在のご自身の会社の状況を踏まえた上で選択しましょう。

モール型

モール型のECショップとは、複数のショップを集めて、一つの大きなECサイトとして
運営しているタイプ
の事です。「ネット上の仮想商店街に出店する」という
イメージだと分かりやすいでしょうか。
代表的なモール型ECサイトとしては「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」
「Amazon」といったものがあります。

楽天市場
1996年から運営しているネット通販業界では老舗のモール型ECサイトです。
5万社以上が出店し、商品数も約3億点と国内最大規模を誇ります。
楽天グループのシナジーを活かし、楽天カードなど他サービスとの連携が
豊富な事も魅力のひとつです。

Amazon
2000年に日本版サイト「Amazon.co.jp」がオープンしました。
出店店舗が自ら発送する方法の他に「FBA」と呼ばれるAmazon自体に
商品を預け発送してもらうシステムが特徴の一つです。
そのため、自社で出荷する余裕がなくても比較的簡単に
ネット通販を行う事が出来ます。

Yahoo!ショッピング
1999年にオープンしました。
2013年に「eコマース革命」と称し、出店にあたり初期費用や月額固定費、
売り上げ手数料を無料にした事が話題となり一気に出店数が増加しました。

自社ECサイト型

自ら独自ドメイン(サイトのURL)を取得し、店舗を構築し運営するタイプの事です。
モール型と違い、実際にオープンしても仮想の商店街やモールに属する事がないので
集客も自力で行う必要があります。
更に自社ECサイトは「フルスクラッチ」「パッケージ」「オープンソース」「ASP」と
いったタイプに細かく分ける事が出来ます。

フルスクラッチ型
既存のシステムやプログラムに頼る事なく、すべて独自でシステムを組み上げるタイプになります。
サーバーも自身で用意する必要があり、自社ECサイトでは一番難易度が高く手間も時間もかかります。
その反面、カスタマイズ性が高く、実装したい機能や、希望するデザインに合わせて開発出来る事が大きなメリットです。

オープンソース型
外部に公表されているソースコードを利用し、サイトを構築するタイプの事です。
無料で公開されていますので、誰でも無料でインストールして利用する事が可能です。
そのまま開店する事も可能ですが、知識があれば自由にカスタイマイズをし
独自のシステムを構築する事も可能です。
代表的なものですと「EC-CUBE」が有名です。
様々なプラグインが用意されており、お好みの機能を追加しカスタマイズする事が
出来る事も魅力のひとつです。

ASP型
既に用意されたシステムを利用しますので、3つのタイプの中で最も手軽に始める事が出来ます。
既にパッケージ化されたシステムを借り、その中で商品の登録やショップ設定を行っていくイメージです。
申し込み後、IDとパスワードが発行されますので、管理画面にログインをして設定を行います。
ネットショップの専門的な知識が無くても始める事が可能です。
また、コストを抑えられる事も大きな魅力のひとつです。

モール型のメリットとデメリット

メリット

1.集客力
楽天などのモール型ECサイトには、数万から数十万という店舗が既に出店されており
巨大なインターネット上のショッピングモールを形成しています。
月間の利用者数も数千万人を誇ります。
その中に、出店するわけですから、一から集客をする必要はありません。

2.信頼力
一般的にユーザーは「●●商店の楽天市場店で買い物しよう」
というよりも「楽天で買い物をする」「Yahoo!で買い物をする」
というように考えます。
そのため、ショップ自体には知名度が無くても、知名度の高いモール型ECショップの
信頼力を利用し、ショップ運営が出来ます。
勿論、モールの中でお気に入り店舗を登録しているユーザーも多数いますので
レビューやショップの評価や良い口コミが集まれば更に信頼力がアップします。

3.簡単に出店ができる
既にシステム側で用意されているため、ドメインやサーバー、
決済代行システムへの審査申し込みなどの手続きは不要です。
サイトデザインも作りこむ必要もなく、管理画面から決められた項目に
商品名や説明文、画像をアップするだけで商品を販売する事が可能です。
WEBの知識がなくてもすぐに商品を販売する事が出来ます。

デメリット

1.手数料が発生する
月額利用料の他、商品が売れた際のロイヤリティやポイント原資の負担、
広告費など様々な費用負担が発生します。
Yahoo!ショッピングは、初期・月額費用とロイヤリティは無料ですが
ポイント原資やアフィリエイト手数料など一部費用の負担が必要です。

2.価格競争
特に販売しようとしている商品が、複数の他店で既に販売している場合、
価格競争に巻き込まれる可能性があります。
価格以外に、レビューの点数の高さや数なども判断材料となりますが、
出店間もない頃はレビューも十分に集まっていないと思いますので、
価格競争に巻き込まれないように注意が必要です。

3.ショップの個性が出しづらい
メリットの「信頼力」でもお話しましたが、ユーザーはモールを
信頼し買い物をしています。
もちろん、モールに出店しているショップも信頼した上で商品を
購入しているわけですが、意外とショップ名を覚えていない場合も多いです。

モール型ECサイト デメリット
その服カワイイ!どこで買ったの?
モール型ECサイト デメリット
楽天で買ったんだ!
モール型ECサイト デメリット
そうなんだ!やっぱ買い物は楽天だよね。

といったように、ショップ名を覚えてもらえない等個性を打ち出しにくい点があります。

自社ECサイト型のメリットとデメリット

メリット

1.自由度の高いデザイン性
システムにもよりますが、デザインを一から組んだり
予め決められたテンプレートを利用してカスタマイズする事で
ショップの個性を打ち出す事が出来ます。
ブランドコンセプトを重視したい。ショップとしての個性を特徴のひとつに
したいといったような場合は、特に向いているでしょう。

2.ロイヤリティが発生しない
月額費用やドメイン費用の他、必要に応じて広告費も発生しますが
売り上げに応じたロイヤリティやポイント原資は発生しません。
売上に対する費用が発生しない為、その分高い利益率を確保する事が出来ます。
売上額に比例してメリットも大きくなります。

3.顧客データの活用
購入されたユーザーデータは制限なく活用する事が出来ます。
勿論大事な個人情報ですので、ショップ側の責任で細心の注意を払い取り扱う
必要がありますが、顧客データを活用して、リピート率の向上や特定のユーザーに向けて商品アピールを行うなど、きめ細やかな戦略を立てる事が出来ます。

デメリット

1.集客
モール型と違い、出店した直後は誰にも気づいてもらえません。
そのため、自力で集客をしなければなりません。

既にフォロワーが多数いるSNSアカウントをお持ちであれば
TwitterやInstagramでアピールする事も有効ですが、その他の効率的な集客手段としてSEOやリスティング広告といったものがあります。
SEOや広告運用にはある程度のノウハウが必要となってきますので、場合によっては外注に依頼をするのも一つの手です。
また、SEO対策の結果はすぐには出ませんので、売り上げが軌道に乗るまでには
ある程度時間がかかります。

モール型と自社ECの使い分け

モール型と自社EC型にはそれぞれ一長一短があり
絶対にどちらが良い、どちらが悪いとは言えません。
その為、それぞれのメリットを生かし
複数店舗を展開されているショップも多数いらっしゃいます。

例えば、

GMO商店 楽天市場店
GMO商店 Yahoo!ショッピング店
GMO商店 Amazon店(FBA)
GMO商店 本店

といったように、自社サイトは本店、モール型は支店扱いで出店している方が多いです。

ネットショップを開店しよう

実際にネットショップの開店準備を進めましょう。

実際にお店を出店する事と手順は変わりません。

1.土地を購入(システムを選択)
2.お店を建てる(ショップ構築)
3.商品を並べる(商品登録)

といった流れです。

大きな違いは、実際にお店を出店するのと違い、早ければその日のうちにオープンさせる事が出来るのです。
商機を逃す前に出店準備を進めましょう。

1.ネットショップを利用するシステムを決める

今までご紹介した中からどのシステムにするかを決定します。
システムよっては審査に時間がかかる場合もありますので
かかる費用や期間などを相談してみましょう。

2.商品の準備をしよう

販売する商品の準備をしましょう。
実際のお店のように、商品を綺麗に陳列したりディスプレイする必要が無い代わりに予め揃えておく必要があるものがあります。
具体的には下記内容です。

  • 商品コード
  • 商品画像
  • 販売価格
  • 商品説明文

この中で、適当に決めがちなのが「商品コード」です。
こちらはシステムにもよりますが、ショップ側で自由に設定する事が出来る商品を
識別するコードになります。

将来的に複数店舗を運営するようになった場合、同じ商品でも店舗によって商品コードが統一されていないと、後から管理が煩雑になります。
その為、商品コードは適当に決めず、日本語は使わず、半角英数で簡潔に
設定して頂く事をおすすめします。

3.商品の登録をしよう

~商品画像編~
商品写真についてですが、最近のスマホであればカメラ並みに画質が良いので
特別なカメラを用意する必要もありません。

ただ気を付けたいのは背景です。

例えばAmazonの場合、「背景は白」「画像の85%以上を商品が占める必要がある」などルールが細かく決められています。
このルールに則って撮影すると、非常に分かりやすい画像になりますので
Amazon以外にも活用する事が出来ます。
Amazonに出店する予定が無くても、「商品をシンプルに分かりやすく伝えたい」と言った場合、参考にしてみてはいかがでしょうか。

画像加工する技術が無くても、写真撮影用の白い布であれば数千円程度で手に入ります。

~商品説明文編~
ありがちなのが、メーカーサイトからそのまま説明文を引っ張ってきて転載するパターンです。
決してNGではないですが、他社との差別化やSEOの観点からみると、もったいないです。
説明文は画像とともに商品の魅力を伝える事が出来る重要な項目の一つでもありますので
出来ればオリジナルの文言に変えるか、加筆してみましょう。

商品の魅力、例えば「使いやすさ」「味」「人気度」「評判」などは
実際に販売しているショップでしか手に入らない非常に有益な情報です。

~データ編~
揃えた情報をもとに、商品の登録を行います。
商品情報は手入力でも登録が可能ですが、数百や数千など大量に出品するとなると
時間がかかります。そこでcsvというファイルを使って効率良く大量の商品を
一気に登録する事が出来ます。
「csvファイル」を聞いた事が無い方も難しく考える必要は全くありません。
PCにエクセルが入っていればエクセルで編集が可能です。

csvファイルをより快適に編集する場合、エクセルよりもおすすめのソフトがあります。
それは「リブレオフィス」です。
csvファイルを多く扱う本記事の著者である私も、csvファイルを扱う時は
「リブレオフィス」を使用しています。
無料でネット上からダウンロードする事が出来ますので、是非試してみてください。
エクセルだと先頭の0が消えたり、桁数が多い数字が「E+00」のようになるのですが、リブレオフィスならこれを防ぐ事が出来ます。

4.ショップコンセプトとデザインを決めよう

これは特に自社ECの場合に言える事ですが、ただ漠然と売りたい商品を
並べるだけでは、魅力が伝わりません。
ショップのコンセプトを決める事が大切です。

扱う商品にお店の雰囲気やテーマカラーは合っていますか?
決定したコンセプトに沿ってデザインを構築しましょう。

システムによっては、予め決められたテンプレートを選択するだけで
雰囲気をガラリと変える事が出来ますので、お店のロゴやメインバナーを配置しましょう。
場合によっては、有料でショップのデザインを代わりに構築してもらう事も可能です。
また外注に最初のデザインを構築してもらう事も一つの手段です。

POINT
色んなジャンルの商品を幅広く扱う事も一つの戦略かもしれませんが
カテゴリーを絞ることで専門店として出店する事も一つの戦略となります。
全く違うカテゴリーは別店舗を立ち上げるなどの工夫も検討してみましょう。

5.サイトURLを決めよう。

自社EC型で出店する場合は独自ドメイン設定が可能です。

覚えてもらいやすくするために、なるべくシンプルで短いものがお勧めですが
良いと思ったものは既に他で取得されている場合があります。
その為、「.com」で取られていた場合、「.net」や「.shop」など他のものが
空いていないか調べてみましょう。

また、既に会社のサイトとして独自ドメインをお持ちであれば
サブドメインとして「shop.〇〇〇.com」のような形で運用する事も
検討しても良いですが、システムによってはサブドメインが使えない場合も
ありますので注意しましょう。

気になるドメインの年間費用の相場はだいたい数千円です。
有名どころであれば、お名前.com(https://www.onamae.com/)から空いている
ドメインを探して購入する事が可能です。

また、苦労して取得したドメインも有効期限が過ぎると他社に取られてしまう恐れがあります。
そのため、出来ればドメインの更新については自動延長の設定をして頂く事をおすすめいたします。

6.送料の設定

ここまで決まればお店としてはほぼ完成です。
ここからは注文が実際に入った際に、事前に決めておくべき項目になります。
それは配送料です。配送料が高すぎると、カート画面まで進んでも
そこでカゴ落ちの原因にもなりますし逆に安すぎると経費を圧迫します。
また、地域ごとに細かく設定しすぎると、再び送料を変更する時など煩雑になります。

私も某ネットショップのサポートをしていましたが、複雑で細かい設定をしている
ショップの対応は苦労しました。
その場しのぎで設定を色々つけ足したり変えるとショップ自体も設定を把握しきれずお手上げです。
その為、初めのうちにしっかり送料のルールを決めておく事が重要です。
いくつか代表的なパターンをご紹介します。

パターン①全国送料無料
一番シンプルな設定方法の為、取り入れているショップも多くあります。

エンドユーザーからもお得感や分かりやすさの為、受け入れていただきやすい設定となります。

但し、事前に全国の配送料と利益を計算した上で設定をしないと
赤字に陥ってしまう事もあります。設定額は慎重に決めてください。
送料分を商品の販売価格にあらかじめ上乗せしておく事もひとつの方法です。

パターン②地域別送料
例えば、東京に店舗がある場合、関東は最安値にし、遠くなればなるほど
送料が高くなる方法です。

都道府県別に送料を設定出来るものが一般的ですが、各都道府県ごとに細かく価格を変える必要はありません。
佐川急便やクロネコヤマトの全国配送料を参考に、関西や四国など地域をブロックに分けて設定します。
また北海道や沖縄をはじめとする離島は更に送料を上乗せするケースもありますが送料が高すぎるとカゴ落ちにつながりやすくなります。

全国を対象に商品を販売したいのか、ショップの所在地周辺の地域に重点的に商品を販売したいのか、によって送料を設定する手法もあります。戦略によって設定を決定して下さい。

パターン③一定金額以上の購入で送料無料
よく目にすると思いますが、例えば「5000円以上の注文で送料無料」といったようなものです。
パターン②と併用して取り入れてる場合が多いです。

この設定を行うメリットのひとつとして、送料無料の条件を満たそうと
「ついで買い」を促す効果もあります。
条件を満たすため、売りたい商品や、比較的単価の安い商品を関連商品として
表示させる事もひとつの手段です。

注文後のフォローも忘れずに

アフターフォロー

実際に開店をし、注文が入ってきたあとが本当の勝負です。
注文頂いた方がリピーターになって頂けるか否かは注文後の対応にかかっています。

注文メールは正しい文面で設定されて届いていますか?
ピッキングや同梱商品など間違いなくできていますか?
遅延なく配送できていますか?

また、発送したらそれで終わりではありません。
配送後のアフターフォローは出来ていますか?
システムによっては「発送後〇日後にアフターフォローのメールを送る」という設定をする事も可能です。

一人でも多くの方にショップのファンになってもらう。

この事がショップ運営の成功の鍵です。