「離脱率」は、Webサイトを運営していくうえで重要な指標の一つです。
しかし、Web初心者だと「直帰率とは違うの?」「どう改善したらいいの?」と、そもそも離脱率について分からないことが多いのではないでしょうか。
今回の記事で、その概要や改善のための施策を知り、よりよいWebサイト運営を目指しましょう。
この記事のレベル
重要度 | (3.5) |
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初心者度 | (4) |
難易度 | (2.5) |
この記事で学べること
- 離脱率とは何か
- Googleアナリティクスで離脱率を確認する方法
- 離脱率が高くなる原因と改善施策
離脱率とは
サイトを訪問したユーザーのうち、そのページを最後に離脱した割合のことです。
ここでいう「離脱」とは、訪れたページを見終えたユーザーが、サイト内にある他のページに移動することなく、ページから離れてしまうことを指します。
具体的には、ブラウザを閉じる・戻るボタンで、サイトを離れる、サイト内のリンクから外部サイトに移動する、などの行動が該当します。
ページ別に離脱した割合を算出することで、「ユーザーがセッションを終了するのはどのページが多いのか・少ないのか」を知ることができます。
直帰率との違い
Web運営を行ううえで知っておきたい指標の一つに、「直帰率」があります。こちらもWebサイトの離脱を表す数字ですが、離脱率とは異なるものです。
「直帰率」とは、最初のページだけを見て他のページに移動せずに離脱した割合のことで、「離脱率」とは、直帰かどうかに関わらずそのページで離脱した割合です。
例えば、検索や広告からランディングページにたどり着いたものの、そのページだけ見てすぐに離れてしまった割合などを算出するときに使う指標です。
数値が高い=ユーザーニーズに合っていないと考えることができ、ページ改善につなげることができます。
計算方法
離脱率は、「そのページの離脱数」と「そのページのページビュー数」から算出できます。
計算式
離脱率 = ページの離脱数 ÷ ページのページビュー数 × 100
例えば、3回セッションがあった場合、ページAの離脱率を式に当てはめて計算してみましょう。
- セッション1:ページA → ページB → ページC → 離脱
- セッション2:ページB → ページA → ページC → 離脱
- セッション3:ページC → ページA → 離脱
ページAでの離脱は1回だけなので、計算式にあてはめると「1÷3×100」となり、「33%」と求められます。
離脱率を確認する方法
前章で計算方法を紹介しましたが、計測ツールを活用すれば、簡単に把握できます。
こちらでは、Googleアナリティクスでサイト全体・ページごとの離脱率を確認する方法を紹介します。
Googleアナリティクスでの離脱率の確認方法
画面左側のメニューから「行動」→「概要」をクリックして、サマリーページを開いてください。ページビュー数のプルダウンから「離脱率」を選択し、対象となる期間を入力すると確認できます。
ページごとの離脱率の確認方法
画面左側のメニューから「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」の順にクリックしてください。
次に、対象となる期間を入力します。ページごとに各項目の数値が表示されるため、離脱率の列をチェックすれば、ページ別の結果を把握できます。
離脱率が高くなる原因
そもそも離脱率が高いのってよくないの?
改善に取り組んだ方がよいですが、全てのページで改善が必要なわけではありません。
数値が高くてもいいページとそうでないページを知り、優先度をつけた対策を取ることが重要です。
離脱率が高くてもいいページ
サンクスページ
サンクスページとは、商品購入や問い合わせが完了した後に、「ありがとうございました」や「送信完了しました」などと表示されるお礼のページを指します。
サンクスページが表示されているユーザーはアクションが完了しているため、このページの離脱率が高くても改善する必要はありません。
サンクスページでは、閲覧数のほうが重要です。
他サイトへの誘導ページ
他サイトへの誘導ページとは、キャンペーンサイト・販売サイト・ブログといった関連サイトへ誘導するためのページです。誘導先のサイトを見てもらうことが目的のため、他のページに比べ離脱率が高くても改善する必要はありません。
誘導ページに関しては、離脱したユーザーがどのページに遷移したのかチェックして、意図した遷移が実現しているかを確認しましょう。
離脱率が低いほうがいいページ
PV数が多いページ
PV数が多いページは、ユーザーが注目している情報が載っているページといえます。
内部リンクの追加などでこういったページを改善できれば、PV数だけでなくCV数を伸ばせる可能性もあります。
滞在時間が短いページ
ユーザーの滞在時間が短いページは、コンテンツの量が少ない可能性も考えられますが、基本的にはユーザーニーズに沿っていないケースが多いです。
開いてすぐに「自分が求めているページではない」と感じ、サイトから離脱してしまいます。
提供している情報がユーザーニーズに沿っているのか確認し、タイトルとコンテンツの内容を改善していく必要があります。
問い合わせフォーム
問い合わせフォームの離脱率を改善できれば、問い合わせによって問題解決→購入・申し込みとコンバージョンにつなげられる可能性があります。
問い合わせフォームまで進んだものの、入力を完了せずに離脱してしまった場合、フォームの内容に問題がある可能性が高いです。
問い合わせフォームの離脱率が高い理由として、「入力項目が多すぎる」「入力したくない情報の項目がある」などが考えられます。
個人情報などを入力したくないユーザーも多いため、できるだけ少ない情報で問い合わせできるように項目を設定しましょう。
購入完了にいたるまでのページ
問い合わせフォームと同様に、購入完了にいたる前の離脱は、コンバージョンの低下につながってしまいます。
例えば、商品をカゴに入れたにもかかわらず、購入ページの入力項目が多すぎると面倒になって離脱してしまうユーザーもいます。また、購入までの流れや返品対応についての記載がないと、ユーザーが不安に思って離脱してしまう可能性もあります。
極力ユーザーに対してストレスを与えないように、ユーザーに対して優しいページ作りを心がけましょう。
離脱率が高くなる理由
主な原因として以下の3つが挙げられます。
ページ表示速度が遅い
Webサイトのページ読み込みが遅く、サイトを離れた経験がある方も多いのではないでしょうか。一般的には、クリック後3秒以内に表示されないと離脱するユーザーの割合が増えるといわれています。
Googleにおいても、主にモバイル検索のページの表示速度が遅いと、評価が低くなるアルゴリズムになっているのです。このことからも、ページの表示速度はユーザーにとって重要な要素であることがわかります。
タイトルと内容の不一致
ユーザーはページタイトルで自分が欲しい情報かどうか判断しています。
クリックして内容を見た際に、予想していた内容でなかった場合、すぐに離脱してしまいます。
他のページへの導線がない
一つのページでユーザーが知りたい情報すべてを網羅していることが理想ではありますが、そういった構成にするのは簡単なことではありません。
もっと詳しい情報や、次に知るべき情報への内部リンクを設置する必要があります。
内部リンクによるサイト内の回遊率も下がってしまうため、ユーザーの考えを先回りして導線を敷くことが大切です。
離脱率の改善施策5選
離脱率を下げるためには、数値が高くなる主な原因3つを把握し、適切な対策を取ることが重要です。
こちらでは、改善のための施策を5つ紹介します。
POINT 1内部リンクを設置する
見出しレベルでサイト内の別記事へのリンクを貼れば、より多くの情報を求めるユーザーニーズに応えることができます。
ユーザーが複数のページを閲覧できるため、サイト内の回遊率を高めることにもつながります。
POINT 2ページスピードを上げる
ページの表示速度は、離脱率に大きく影響します。Webサイトのページ速度は簡単に調べられるため、問題があれば改善を検討しましょう。
画像やHTML、CSSなど、サイト内のデータサイズが軽減できれば、読み込み速度を速めることができます。
POINT 3コンテンツの改善
まずは、ページタイトルと内容のミスマッチがないように注意しましょう。
そのほか不足している内容を追加する、ユーザーが情報を見つけやすいよう工夫するなど、状態に合った改善策の実施が重要です。
POINT 4リンク切れや誤字・脱字を防ぐ
Webサイト内のリンクが間違っていたり、ページが表示できなかったりといった状態も、ユーザーの離脱につながります。また、誤字・脱字もユーザーの困惑を招いてしまいます。
リンク切れや誤字・脱字は、見つけ次第修正するようにしましょう。
POINT 5入力フォームを最適化する
問い合わせフォームや購入画面など、入力する情報が多いとユーザーの負担が増えてしまいます。
入力フォームの項目を厳選し、必要最低限の入力で済むよう工夫しましょう。
よくある質問
離脱率の平均はどのくらいですか?
一般的に、平均の数字はないといえます。サンクスページや外部サイトへ誘導するページなどは、数値が高くなる傾向がありますが改善は不要です。
しかし、ページごとの特性や目的によって良し悪しの判断が異なるため、平均値がないのです。
ページの離脱率が高いと検索順位にも影響しますか?
基本的には検索順位に影響しないといわれています。しかし、Webサイトの品質を向上させるために重要な指標の一つです。
GA4での離脱に関する定義を教えてください。
GA4では、「あるページまたは画面における1回のセッション内で発生した最後のイベント数」を離脱数としてカウントします。
詳細はGoogleのヘルプページをご覧ください。
まとめ
離脱率は、サイトを訪問したユーザーのうち、そのページを最後に離脱した割合のことです。直帰率とは異なる指標なので、違いを理解しておきましょう。
また、改善が必要なページとそうでないページがあるため、両者を把握して必要な対策を行うことが大切です。
離脱率は計算して出すことも可能ですが、Googleアナリティクスで簡単に見ることもできます。
Googleアナリティクスの数値も参考に、どのようなユーザーがどのページで離脱しているのかをしっかり把握してください。そのうえで、状況に合った改善策を実施していきましょう。