Web担当者であれば知っておきたいのがサジェストです。サジェストとは、検索エンジンがキーワードを提案してくれる機能です。
キーワードを入力すると、関連するキーワードを紹介してくれる機能のことですか?
そうだよ!ユーザーに検索キーワードを提案してくれる機能だからWeb担当者にとっては重要な機能だよ。
ここでは、サジェストが表示される仕組みや基準、SEO対策への活用方法をご紹介します。
この記事のレベル
重要度 | (4.5) |
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初心者度 | (3) |
難易度 | (1.5) |
この記事で学べること
- Googleのサジェストの仕組みと表示される基準
- サジェスト汚染の原因と対応方法
- SEO対策向け!サジェスト機能の使い方3選
サジェストキーワードとは
サジェスト機能の名前は、「Suggest(提案する)」に由来しています。
その名のとおり、ユーザーが検索窓に入力したキーワードから、検索エンジンが設けた様々な基準をもとに予測して、関連性の高いキーワードを表示する機能です。
GoogleやYahoo!など様々な検索エンジンに導入されており、Googleの「オートコンプリート」やYahoo!の「入力補助」といったサジェスト機能によって、ユーザーは必要な情報を効率的に探すことができます。
また、サジェストと間違いやすいキーワードとして、「関連キーワード」と「共起語」が挙げられますが、違いをご存じですか?
サジェストキーワードは、ユーザーの過去の検索履歴や位置情報などの情報をもとに、特定のキーワードと一緒に検索されやすいキーワードを提案していますが、関連キーワードは特定のキーワードと一緒に検索されやすいキーワードを、単純に表示しています。
一方の共起語は、特定のキーワードに関連する文章の中で、一緒または頻繁に使われるキーワードです。
Googleのサジェストの仕組みと表示される基準
では、サジェストはどのようにして表示されるのでしょうか?Googleのサジェスト機能の仕組みと、表示される基準をご紹介します。
Googleのサジェストの仕組み
サジェストは関連キーワードとは異なり、特定のキーワードと一緒に検索されることの多いキーワードを、ただ単に表示しているわけではありません。
Googleでは様々な基準をもとに、サジェストを表示しています。
Googleが発表した「Google のオートコンプリートの候補の仕組み」では、表示される仕組みを以下のように述べています。
オートコンプリートの候補は、Google で行われた実際の検索を反映しています。Google のシステムは、表示する候補を決定するために、ユーザーが検索ボックスへの入力を開始した語句と一致する一般的なクエリを探しますが、以下の点も考慮します。
引用:Google検索ヘルプ「Google のオートコンプリートの候補の仕組み」
- クエリの言語
- クエリが実行される場所
- クエリで注目を集めている関心事
- ユーザーの過去の検索
サジェストに表示される基準
サジェストに表示される基準となる、グーグルの定義の各項目の内容をご紹介します。
クエリの言語
キーワードを検索する際に使用した言語によって、サジェストも変わってきます。
例えば、英語で「tokyo」と検索すれば「tokyo mx」「tokyo fm+」などと表示されますが、日本語で「東京」と検索すれば「東京天気」「東京マラソン」などと表示されます。
クエリが実行される場所
サジェストはどこで検索したのかによっても異なります。
例えば、横浜でランチを検索した場合には、「ランチ 近く」「ランチ 横浜」などが表示されます。特に、食事や施設など、場所の情報が求められるキーワードは、位置情報が反映されやすい傾向があります。
クエリで注目を集めている関心事
ニュースなどのリアルタイムで話題になっている、トレンド性の高いキーワードも、サジェストに表示される可能性があります。
Googleは急激に検索数が多くなったキーワードを、ユーザーのニーズが高いと認識するためです。
トレンドは一時的なものですので、サジェストも長期にわたって維持されないことがほとんどです。
ユーザーの過去の検索
ユーザー自身が過去に検索した内容も、選定の基準になります。
Googleが提供するブラウザの「Chrome」は、ユーザーの検索履歴を記憶しています。直前または過去に検索したキーワードは、ユーザーのニーズがあると判断するため、サジェストに表示しています。
また、Googleの定義に加えて、月間検索ボリュームを参考に、ユーザーニーズを予測して、サジェストとして表示します。
検索ボリューム
キーワードの月間の検索回数を示すのが、検索ボリュームです。
Googleでは、検索ボリュームの大きいキーワードは、多くのユーザーから関心が集まっている、検索ニーズの高いキーワードだと判断するため、表示されやすくなります。
ユーザーファーストを掲げるGoogleは、ユーザビリティの向上のために日々アップデートを行っているため、サジェストも同じく常に変化しています。
サジェスト汚染について
企業名や個人名、商品名やサービス名などを検索した際に、ネガティブなキーワードがサジェストに表示されることを、サジェスト汚染と呼びます。
サジェスト汚染の原因
サジェスト汚染はどのようにして起こるのでしょうか?サジェスト汚染が起こる原因を確認しておきましょう。
ネガティブなキーワードと一緒に検索されている
実際に、商品名やサービス名などが、ネガティブなキーワードと一緒に検索されていると、サジェスト汚染が起こります。
サジェストは検索ボリュームも選定基準の1つのため、ネガティブなキーワードで検索しているユーザーが多ければ多いほど、ユーザーのニーズがあると判断されてしまうのです。
意図しないキーワードの関連性
商品名やサービス名などによっては、ユーザーが検索するネガティブなキーワードと、思いがけない関連性を持ってしまう場合があります。
例えば、自社で「●▲■」という商品を販売しており、別の企業が販売する「●▲■」が問題を起こした場合、自社の商品を指しているように、サジェストが表示される可能性があります。
人為的
悪意を持った第三者によって引き起こされるサジェスト汚染も、後を絶ちません。
悪意を持った一部のユーザーが、特定の個人や企業を貶めようと策略し、ネガティブなコンテンツを作成しているケースが当てはまります。
自社サービスやメディアのサジェストは日々チェックしよう!
サジェスト汚染の対応方法
サジェスト汚染に気付いたら、2つの方法で対応しましょう。
Googleに削除申請する
サジェスト汚染されている場合は、Googleに削除申請を行います。
サジェストが表示されているウィンドウの右下にある、「不適切な検索候補の報告」で削除申請依頼が可能です。
ただし、Googleの審査を通らなければ、削除されません。
プロに依頼する
万が一、Googleの審査に通らなかった場合には、プロへの依頼をおすすめします。
インターネットトラブルに対応している弁護士に依頼すれば、法律の観点からサジェスト汚染が起こった原因などを説明できるため、削除の可能性が高まります。
誹謗中傷や事実無根など、あまりにも悪質な場合は、弁護士に依頼することも検討しよう。
SEO対策におけるサジェスト機能の使い方3選
サジェスト機能はSEO対策に活用できます。
SEO対策に役立つサジェスト機能の使い方をご紹介しますので、ぜひ取り入れてみてください。
キーワードの選定に役立てる
ユーザーのニーズを反映したサジェストワードは、ユーザーが関心を持っていると判断できますので、コンテンツを作成する際の、キーワードの選定に役立てられます。
Googleはユーザーに有益なコンテンツを評価し、検索結果の上位に表示するため、ユーザーが関心を持つサジェストワードを取り入れることで、流入につなげられるでしょう。
リライトに活用する
サジェストワードは、これから作成するコンテンツだけではなく、過去に作成したコンテンツのリライトにも活用が可能です。
ユーザーのニーズは日々変化しているため、過去に作成したコンテンツでは、現在のニーズを満たせないでしょう。
サジェストも日々行われているアップデートによって更新されているため、サジェストを確認すれば、現在のユーザーのニーズを把握できます。
過去と現在のニーズが異なる場合は、リライトを行いましょう。
サジェストを参考に過去のコンテンツをリライトすれば、現在のユーザーの検索意図を反映できるため、SEOに良い影響を与えられます。
ユーザーニーズを分析する
サジェストはユーザーニーズの分析にも大いに役立ちます。
SEOにおいてはコンテンツの数よりも質が重視されるため、コンテンツの質を高めることが重要です。良質なコンテンツを作成するには、「ユーザーがどのような情報を求めているのか」という、ユーザーのニーズを満たす必要があります。
サジェストされたキーワードは、特定のキーワードに関連して、ユーザーがどのようなキーワードに関心を持っているかを反映しています。
サジェスト機能を活用すれば、ユーザーの検索意図にあったコンテンツの作成が可能です。
【無料】オススメのサジェストツール3選
サジェストされるキーワードは、ツールを使うことで効率的に取得できます。
無料で使用できる、オススメの3つのサジェストツールをご紹介します。
ラッコキーワード
「ラッコキーワード」は、対象のキーワードを入力するだけで、GoogleやYahoo!、Amazonや楽天などの情報が検索可能で、すぐに必要な情報を収集できます。
無料プランでは調査回数に制限が設けられており、1日で合計50回まで調査可能です。他にも、上位表示されているコンテンツの見出しや、文字数の調査もできます。
Googleキーワードプランナー
Googleが無料で提供する「Googleキーワードプランナー」は、広告を出稿するための「Google広告」内で使えるツールです。サジェストワードに加えて、競合サイトのキーワードも確認できます。
ただし、広告を出稿していない場合は、おおよその検索ボリュームしか調べられないため、注意が必要です。
【初心者必見】Googleキーワードプランナーの概要と使い方を徹底解説!
Googleキーワードプランナーは、SEO対策に欠かせないツールです。概要や使い方を学び、自社(自身)のサイトで活用してみましょう。
Ubersuggest
日本語を含む世界中の言語ごとに、サジェストワードを調査できるのが「Ubersuggest」です。検索ボリュームやクリック単価、競合性などの数値も確認できます。
Web担当者からのよくある質問
サジェストが表示されません。なぜですか?
シークレットモードで検索した場合、ブラウザに検索履歴が残らないため、検索履歴を基準としたサジェストは表示されなくなります。
ただし、位置情報などは、サジェストに影響を与えます。
サジェストに表示する基準のなかで優先順位はありますか?
Googleがどのようにサジェストを表示しているのか、詳しい選定基準は明確にされていません。トレンドや検索履歴など、様々な基準によって選定されるため、表示されるキーワードは常に変化しています。
サジェストキーワードの調べ方はしっかりと把握しておこう
サジェスト機能は、コンテンツを作成する際のキーワードの選定や、コンテンツのリライトに役立ちますので、ぜひ活用しましょう。サジェストされたキーワードの抽出には、ツールの利用をおすすめします。
ただし、サジェスト汚染のように、ネガティブなキーワードが表示される可能性もありますので、注意が必要です。
正しく使えば、高いSEO効果が期待できますので、ユーザーのニーズを満たした良質なコンテンツ作りに活用しましょう!