Web担当者であればサイトマップについて知っておく必要があります。
しかし「サイトマップとは何かよくわからない」「設定やSEO効果を知りたい」という悩みもあるはずです。
サイトマップ!言葉からなんとなく想像できますが…
サイトマップには、ユーザーの利便性向上とクローラーへの伝達という大きな2つの役割があるんだよ!
そこで今回は、サイトマップの目的や役割など基礎知識を含めて解説します。
この記事のレベル
重要度 | (4) |
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初心者度 | (3.5) |
難易度 | (2) |
この記事で学べること
- サイトマップの目的と役割
- サイトマップの種類とそれぞれのSEO効果
- プラグインでの作成方法と設定
サイトマップとは?
サイトマップという言葉自体は知っていても、それが何を表すのか、どのような目的があるのかといった疑問を、多くのWeb担当者が抱えているケースを見受けられます。
サイトマップとは、その名のとおり「サイト上のマップ(地図)」であり、Webサイトの構成やコンテンツの内容を1枚のHTMLページあるいは、特定のファイルにまとめて公開しているものです。
サイトマップは2種類あります。
- HTMLサイトマップ
- XMLサイトマップ
Webサイト全体では、どのようなカテゴリーで内容が分類されているのかを一覧で見たい、または俯瞰したいときのために、HTMLサイトマップが大いに役立つのです。
一方、検索エンジンにページの存在を通知したり、更新した内容を公開したりするために必要となるXMLサイトマップもあります。
このXMLサイトマップについての必要性は、たびたび、Web担当者の間でも疑問視されることは多いのですが、Google検索セントラルでは、
引用:サイトマップ(sitemap.xml など)の概要 | Google 検索セントラル
- サイトのサイズが大きい。
- サイトが新しく、外部からのリンクが少ない。
- サイトに動画や画像などのリッチメディア コンテンツが多数含まれている、またはサイトが Google ニュースに表示されている。
という3点を満たす場合は、サイトマップが必要になることがあると明言しています。
サイズ?具体的にいうとどのくらいですか?
ここでいうサイズに関しては、
「およそ 500 ページ以下の場合にサイズが小さいと考えます。」
引用:サイトマップ(sitemap.xml など)の概要 | Google 検索セントラル
との記述から判断するとよいです。
しかし、必要かどうかはページ数だけで判断するのではなく、利便性向上とSEOの面で、Web担当者が判断する必要があります。
HTMLサイトマップとXMLサイトマップの詳細や役割の違いなどについては、次の章でご紹介します。
500ページを超えるサイトは多くはないけど、サイトマップを作成しているサイトは多くあるよ。
サイトマップの種類
サイトマップの種類については、前章で2種類あることをお伝えしました。
- HTMLサイトマップ(例.sitemap.html):ユーザーの利便性向上
- XMLサイトマップ(例.sitemap.xml): クローラーへの伝達
ファイル形式は「.html」「.xml」と分けている理由は、それぞれ、HTMLファイルは訪問者向け、XMLファイルは検索エンジンのクローラー向けに最適化しているからです。
HTMLサイトマップは、一般的にWebサイトのグローバルナビゲーションやフッターに内部リンクで表示し、どのページからでも全体を確認、あるいは別ページにワンクリックでアクセス可能にしておくとよいです。
XMLサイトマップについては、検索エンジンのクローラーに対しての情報提供(通知)用のファイルのため、Googleサーチコンソールに登録することで初めて機能します。
ちなみにWordPressなどCMSでは自動的にXMLサイトマップを生成する機能が標準で装備されていますが、別の方法(後述)でも作成可能です。
この2種類のサイトマップ作成については、次章以降で少し詳しく述べることにします。
サイトマップによるSEO効果
サイトマップにSEO効果はあるのかという疑問については、Web担当者であれば気になるところではないでしょうか。
まず、HTMLサイトマップについては、ユーザーの利便性の向上においては効果的ではありますが、特段、SEO対策に必須の条件とは言えません。
一方で、前述したようにXMLサイトマップについては、サイズによる必要性をGoogle検索セントラルでは明らかにしています。
以上のことからサイトマップは、SEO対策をより有効にするために設定するものである、との考え方のほうが適切です。
では、具体的にSEOへの有効性について述べると、HTMLサイトマップは、
- 案内板
- 構造の一覧表示
- ページの分類と整理整頓
という役割を持たせることが目的です。
それにより訪問者はWebサイト内をムダなく知りたい情報に素早くアクセスできるようになり、運営側はページの分類や関連性(内部リンク)を目視で確認できます。
Google検索において訪問者の利便性は評価項目のひとつでもあり、実際にモバイルフレンドリーなページ設計が推奨されています。
参照:モバイル ユーザビリティ関連のツールとレポート – Search Console ヘルプ
XMLサイトマップについては、検索エンジンのクローラーにページの存在を認識してもらうことが第一の目的です。
検索エンジンのクローラーは内部リンクをたどることで、ページの存在を認識できる能力を備えていますが、サイズの大きいサイト(500ページ超)では優秀なクローラーといえどもページの見落としが発生します。
特にサイトの階層が深い場合は、XMLサイトマップでページを認識させる必要があるわけです。
今まで認識できなかったページが認識されると、新たに検索の上位表示機会も増加するため、SEOの効果を期待できるようになります。
またXMLサイトマップは、既存ページの更新頻度や最終更新日、重要度なども伝えられるため、常に新しい情報を提供し続けることもSEOには有効です。
ビジュアルサイトマップの作成方法
本章では、これまで解説した2種類のサイトマップと異なり、Webサイト制作、リニューアルにおける設計図、あるいは内部資料として用いられるビジュアルサイトマップについて、ステップごとに説明します。
ビジュアルサイトマップの作成は、大きく4つのステップがあります。
- ペルソナとゴールを明確にする
- 発信するコンテンツを可視化する
- カテゴリーに分類する
- サイトマップを作成する
STEP 1ペルソナとゴールを明確にする
具体的なペルソナを設定することで、どのようなコンテンツが必要かを洗い出しやすくなります。
ざっくばらんに洗い出すより、ペルソナに必要だが競合他社が言及していない部分を補足するような視点を持つことがポイントです。
ペルソナとは?ターゲットとの違いと設定方法を徹底解説
ターゲットとの違いやメリットとあわせて、設定方法や設定する際の注意点をご紹介します。
STEP 2発信するコンテンツを可視化する
次は、洗い出したコンテンツにテーマを設定して、発信内容を可視化する作業になります。
この作業によって、コンテンツの網羅性が確認可能となります。
STEP 3カテゴリーに分類する
テーマが設定されたコンテンツを、カテゴリーに分類する作業が本ステップです。
例
SEOタイムズ の場合
- SEO
- SEOツール
- セミナー情報 など
STEP 4サイトマップを作成する
コンテンツを階層化した図に展開すれば完成です。
オリジナリティのあるコンテンツは検索エンジンの評価も高くなり、差別化も図れるため、ビジュアルサイトマップの作成と活用は大きな意味を持ちます。
XML Sitemapsでサイトマップを作成する方法
XML Sitemapsとは、WordPressの無料プラグインのひとつで、XMLサイトマップファイルを自動生成することができます。
以前は「Google XML Sitemaps」との名称でしたが、制作者がGoogleとは無関係であることから、現在は「XML Sitemaps」に名称変更されました。
しかし多くのWordPressユーザーから支持されており、インストールの総数は100万以上です。
参照:XML Sitemaps – WordPress plugin | WordPress.org
XML Sitemapsでのサイトマップ作成方法は、以下のステップで可能になります。
- WordPressにログイン
- プラグインをインストールして有効化
- [設定] > [XML-Sitemaps]をクリック
- 「基本的な設定」で[HTML形式でのサイトマップを含める]のチェックを外す
-
「投稿の優先順位」で[優先順位を自動的に計算しない]※にチェックする
※場合によっては[Do not use automatic priority calculation]と表示されていることがありますので、そこにチェックを入れてください -
「Sitemapコンテンツ」でGoogleに通知したいページにチェックを入れる
例:[ホームページ][投稿(個別記事を含める)][固定ページを含める] - 「Change Frequencies」で更新頻度を、「優先順位を設定」で更新の優先度を調整する
- [設定を更新]をクリック
上記ステップで生成されますが、XMLサイトマップのURLについては、設定画面に「The URL to your sitemap index file is: https://website.com/sitemap.xml.(URLは架空)」と表示されています。
以上がXMLサイトマップ作成のステップです。
ちょっと待って!作成しただけでは効果がないよ!
XMLサイトマップを作成した後は、Google サーチコンソールへ登録して検索エンジンに通知する設定をします。
これを省くと検索エンジンにページ情報が伝わりませんので、忘れないようにしましょう。
- Googleサーチコンソールにログイン
- メニューの[サイトマップ]をクリック
- [新しいサイトマップの追加]でXMLサイトマップURLを入力
- [送信]ボタンをクリック
ステータスの項目で[成功しました]と表示されれば、検索エンジンにWebサイトのページ情報が通知されています。
よくある質問
サイトマップについて、問い合わせの多い質問の回答を、以下に記しておきます。
小規模のサイトでもサイトマップを作成した方がいいですか?
Googleでは、およそ500 ページ以下の場合は、サイトマップの作成は必要ないとしています。
しかし、Webサイトは更新がつきものであり、更新情報を即座に検索エンジンに伝えることで新しい情報が反映されるというメリットがあるため、サイトマップを作成することをおすすめします。
HTMLサイトマップ、XMLサイトマップはセットで作成しておきましょう。
サイトマップを作成できるツールはありますか?
サイトマップを作成するツールは無料で利用できるものが、インターネット上で多く公開されています。
WordPressのプラグインは紹介しましたが、ここではサイトマップが作成可能な無料で利用できるツールを3つ挙げてみます。
まず1つ目は、「XML-SiteMaps.com」です。
小規模サイト(最大500ページ)のサイトマップの作成に適しており、簡単にXMLサイトマップを作成できます。
作成されたサイトマップをダウンロードし、FTPなどを使いサイトに設置をすることで使用できます。
続いて2つ目は、「sitemap.xml Editor|サイトマップを作成-自動生成ツール」です。
こちらもオンライン上でXMLサイトマップの作成が可能で、URLを入力して[サイトマップ作成]ボタンをクリックするだけで、ファイルをダウンロードできます。
オプション設定は必要に応じて選択してください。
最後の3つ目は、「Screaming Frog SEO Spider」です。
インストールタイプのツールでXMLサイトマップしか作成はできませんが、
- リンク切れ、エラー、リダイレクトチェック
- ページタイトルとメタデータの分析
- サイトの階層構造での視覚化
など、自社及び競合他社の分析には欠かせない機能も有しているため、おすすめと言えます。
まとめ
以上、サイトマップについて説明しました。
サイトマップはSEO対策では、欠かせないものとして設定しておくほうがメリットはあります。
ゆえにWeb担当者は、HTMLサイトマップとXMLサイトマップの2種類をセットで、それぞれの目的や役割を理解しておくとよいです。
XMLサイトマップにおいては、Googleサーチコンソールでの登録とステータスのチェックは欠かせません。
また、Webサイトの構成図、つまりコンテンツの内容を可視化した資料としての意味を持つサイトマップの作成も、チームでの運用や情報共有に大いに役立ちます。
サイトマップの有効性を、ぜひ、体感してください。