常に流行を捉え、新鮮な情報を扱わなければならないWebマーケティングでは、リライトが非常に大切な役割を果たします。
しかし、Web初心者にとっては「そもそもリライトって?」「リライトの目的は何?ライティングとどう違うの?」と疑問が浮かびますよね。
どの記事をリライトすればいいのかの判断も難しいです。
ここでは、リライトの概要や目的、リライトの方法などをわかりやすく解説します。
リライトに関する悩み・疑問がある方必見です!
この記事のレベル
重要度 | (5) |
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初心者度 | (4) |
難易度 | (2) |
この記事で学べること
- リライトの概要や目的
- リライトの方法
- リライトすべき記事の見極め方
- リライトのコツや注意点
リライトとは!?
リライトは英語で”rewrite”であり、再び・繰り返しを意味する”re”が前に付いているように「書き直す」ことを意味します。
Webマーケティングにおいては、既存のコンテンツを「修正」したり「改善」したりする作業をリライトと表現することが多いです。
つまり、通常のライティングとの違いは、新たなコンテンツを最初から作るわけではない点にあります。
リライトの目的
リライトの目的は、検索順位上昇と最新情報の記載の2点です。
一度公開したコンテンツでも、満足いく結果が得られていないものもあるでしょう。サイト分析をしていく中で、改善点が見つかればリライトの際に反映させます。
例えば、新たな見出しを追加したり、よりわかりやすい内容になるよう表現を見直したりして、ユーザーの満足度をより高めるコンテンツに仕上げるのです。
これにより、検索順位上昇を狙えるようになります。
また、現在上位表示が得られているコンテンツでも、内容が古いと今後順位が下がってしまうかもしれません。
記事の情報鮮度を保つためには、古い情報を削除し、最新情報を追記するリライトが必要になります。
前述のように、リライトでは新たなコンテンツを作るわけではありません。とはいえ、サイトを継続的に運用していくためには欠かせない大切な役割を担っています。
リライトすべき記事の選び方
リライトをする際に気をつけたいのは、全ての既存コンテンツをリライトする必要はないという点です。
コストや労力に見合わない場合や、これ以上の順位上昇が見込めない場合には、潔くリライトをしないという判断をすることも時には大切です。
情報が古い場合は順位に関係なく、ユーザビリティを考慮してリライトすることをおすすめします!
それでは、リライトすべき記事はどのように選べば良いのでしょうか。
検索順位が10位前後の記事
普段、Googleでキーワード検索をした際に閲覧するのは、検索結果1ページ目に表示される記事ではないでしょうか。
1ページ目に求めている情報がない場合に、2ページ目を閲覧することが多いでしょう。
事実、1ページ目と2ページ目のコンテンツでは見られる可能性が大きく変わります。
2021年のCTR調査研究では、ユーザーの42.06%が1ページ目に掲載されるコンテンツを閲覧しているとのデータが検出されました。
出典:2021 CTR Research Study: The Largest Ever for SEO
Web上においては、1ページ目に表示されることが非常に大切なのです。
そのため、検索順位が1ページ目と2ページ目の境目に位置するような記事は、リライトすべきだといえます。
表示回数とCTRが高いコンテンツ
検索順位は低くても、表示回数とCTR(クリック率)が高いコンテンツもリライトすべき記事だといえるでしょう。
なぜなら、上位ページにユーザーが求めるコンテンツがないことを意味しているからです。表示回数やCTRが高いのであれば、順位が上がればそれだけ流入の増加も期待できます。
他のコンテンツと比べてチャンスの余地が大きいので、ぜひ積極的にリライトをしましょう。
上位記事にない付加情報を掲載しつつ、さらに上位記事にあるテーマを追加してリライトすることで、コンテンツの差別化を狙います。
表示回数とCTRの確認はサーチコンソールから確認できます!
情報が古い記事
記載している情報が古かったり、公開から半年〜1年以上経過していたりするような記事も力を入れてリライトするべきです。
特に、まだ以前の指標である「E-A-T」を基準に執筆した記事があれば、優先的にリライトすることをおすすめします。
なぜなら、2022年12月15日に検索品質評価ガイドラインが更新され、Googleでは「E-A-T」ではなく「E-E-A-T」を重視するようになったためです。
「E-E-A-T」では、以前の指標であった専門性・権威性・信頼性の旧「E-A-T」に、経験の「Experience」を加えています。
「Experience」とは、コンテンツの作成者が自ら体験した情報、つまり一次情報のことです。
経験に基づく十分な知識やスキルを発揮したコンテンツでなければ、どれだけ旧「E-A-T」の指標上では良くても、今のGoogleには適切に評価されません。
リライトでは「Experience」を補える情報を追記しましょう。
マナブくん、リライトする判断は、
- 検索順位が10位前後の記事
- 表示回数とCTRが高いコンテンツ
- 情報が古い記事
この3点を覚えておいてね。
はい、理解できました!
リライトの流れ
では実際にリライトをする際の流れについて確認していきましょう。
大まかに6つのステップで進めていきます。
STEP 1リライトする記事を選ぶ
はじめに、リライトする記事を選びましょう。
前述のように、全ての記事をリライトする必要はありません。先ほどの見出しでもご紹介しましたが、優先的にリライトをおすすめするのは以下のようなコンテンツです。
- 検索順位が10位前後の記事
- 表示回数とCTRが高いコンテンツ
- 情報が古い記事
特に2022年12月にはGoogleで大きなアップデートがあったため、それ以前のコンテンツについては早めにリライトへ着手することをおすすめします。
リライトする記事の選定は、ツールを使うことで簡単に判断することも可能です。ツールについては後ほど詳しく解説しますので、そちらをご確認ください。
STEP 2ユーザーニーズを調べる
リライトする記事を選んだら、次にユーザーニーズを調べます。
キーワードに対するユーザーの検索意図を再考することで、よりユーザーに求められるコンテンツにできるよう戦略を練るのが目的です。
ユーザーニーズはコンテンツにとって最重要な要素のため、抜かりなく調査する必要があります。
キーワードの検索ボリュームやトレンドのワードなど、様々なデータを元に分析し、ユーザーニーズを探りましょう。
STEP 3競合ページを調べる
検索順位上昇を狙うためには、上位サイトの競合ページと比較して不足している要素を補う必要があります。
そのためには、競合ページを調べましょう。タイトル・構成・文字数・画像枚数の4つの要素を比較し、リライトするコンテンツに足りないものを明らかにしてみてください。
STEP 4構成案を企画する
2つ目と3つ目のステップで得られた情報をもとに、構成案を企画します。
例えば情報が古い記事であれば、トレンドや最新情報を押さえたトピックを追記し、古い情報を削除する、というように企画を考えましょう。
以前執筆した際に作成していた構成案を再利用し、追記や修正をしていく方法がおすすめです。
STEP 5リライトする
5番目のステップにしてようやくリライトに着手します。先ほど企画した構成案に沿ってリライトしましょう。
リライトする際は、前述の「E-E-A-T」を意識することが大切です。
これはGoogleに正しく評価されるためでもありますが、何よりもユーザーファーストなコンテンツに近づくためでもあります。
Googleにもユーザーにも高い評価を得られることで、結果的に検索順位上昇にも繋がるでしょう。
STEP 6データを収集する
リライトした記事を更新したら、データを収集しましょう。データを収集することで、リライトによる効果を確認できるようになります。
思うような結果が得られない場合、必要に応じて再度リライトを検討します。
リライトをする際のコツと注意すべきこと
リライトをする際には、いくつかのコツを押さえることでより良い結果に繋げられます。
注意点についても取り上げますので、ぜひ参考にしてみてください。
リライトのコツ
E-E-A-Tを意識する
「E-E-A-T」とは、経験・専門性・権威性・信頼性の4つの単語の頭文字を取ったGoogleの指標です。簡単に説明すると、以下のような意味合いを持ちます。
- 経験:コンテンツの内容に関わる経験
- 専門性:専門的な知識や経験を積んだスキル
- 権威性:サイト運営者の認知度
- 信頼性:サイトの安全性や情報の誠実性
これらの指標を満たすコンテンツを作成することで、Googleにもユーザーにも高く評価されるようになります。
リライトの効果を高めるためには欠かせませんので、リライトの際には必ず意識するようにしましょう。
2023年最新!SEO対策で知っておきたいE-E-A-Tの考え方
E-E-A-Tとは、経験の「Experience」・専門性の「Expertise」・権威性の「Authoritativeness」・信頼性の「Trustworthiness」の頭文字を取ったものです。
ユーザーニーズを調査する
「E-E-A-T」がユーザーファーストのコンテンツ作りに欠かせない指標であるように、コンテンツはユーザーのニーズを満たしたものでなければなりません。
そのためには、そもそものユーザーニーズをきちんと把握しておく必要があります。
ユーザーに求められている情報を網羅したコンテンツを作成できれば、CTR(クリック率)も上昇します。
キーワードに対するユーザーの検索意図を調査し、よりユーザーニーズに合致したコンテンツにリライトできるようにしましょう。
リライトの注意点
上位を獲得している記事は無理にリライトしない
リライトは検索順位上昇が見込めるものではありますが、必ず良い結果が得られるわけではありません。
リライトをしたことで、逆に順位が下がってしまうことも十分にあり得ます。
そのため、すでに上位に表示されているコンテンツは、無理にリライトしないようにしましょう。
上位サイトを真似するだけではNG
リライトでは上位の競合サイトを調査することで、自社サイトと比較して足りない情報を追記する対応をとるケースがあります。
しかし、上位サイトの構成や内容を真似するだけではいけません。
ユーザーニーズを満たすコンテンツにするためには、Experience(経験)を反映させた一次情報が欠かせないからです。
一次情報は自身の経験によって得られたオリジナリティの高い情報であり、積極的に活用することで他サイトとの差別化に繋げられます。
上位サイトを真似るだけでなく、自社サイトだからこそ提供できる情報を伝えていきましょう。
リライトで使えるツール4選
リライトでは、ツールを使うことで簡単に現状の分析やユーザーニーズの調査ができるようになります。
ここではリライトでぜひ活用したいツールを4つご紹介します。
TOOL 1GMO順位チェッカー
GMO順位チェッカーは、検索順位を知るためのツールです。クラウド型のため、OSや媒体に関係なく順位を確認することができます。
ユーザーニーズの調査や競合サイトの分析は、ひとつひとつ手作業でするとかなりの手間と時間がかかります。
しかし、GMO順位チェッカーを使用すれば、労力を減らしつつ、確実な分析結果を得ることができます。
検索順位だけでなく、キーワードのSEO難易度を把握することも可能なため、サイト運用をするのであればぜひ取り入れてみてください。
TOOL 2Keywordmap
Keywordmapは、キーワードの共起語や検索意図を分析するためのツールです。
上位記事に含まれている共起語を抽出することで、自社サイトに不足している情報を調査したり、ユーザーニーズを満たす重要なキーワードを抽出したりすることができます。
キーワードの抽出には、時間に加えて経験やスキルも必要となる技量次第の一面があります。しかし、Keywordmapを使えば、Web初心者でも簡単に効果を見込めるリライトができるようになるでしょう。
TOOL 3アナトミー
アナトミーはSEO分析に必要なデータに簡単にアクセスすることができるツールです。
キーワードの検索順位・クリック数・表示回数の推移やtitleタグ・description・hタグなどの設定内容を 画面キャプチャと一緒に確認することができ、SEOの現状を素早く把握することできます。
また、ポートフォリオ分析によるキーワードの指名・目的の分類やGA4と連携することでコンバージョン、エンゲージメントの状況確認も可能です。
TOOL 4ChatGPTなどのAIツール
今や世界中を席巻している、ChatGPTなどのAIツールの活用もおすすめです。
例えば「小学生にもわかるように書き直してください」「あなたはSEOの専門家です。専門知識を交えて書き直してください」というようにプロンプトを与えることで、自動で簡単にリライトをしてもらえます。
そのままコンテンツに反映するというよりは、叩き台として活用するのがおすすめです。
最近では続々とChatGPTを活用したツールも出始めています。上手く取り入れることで、効率良くリライトを回していけるようになるでしょう。
AIツールの導入を検討している方はあわせてこちらの記事もご覧ください!
【2023年4月最新】仕事で使えるAIツール27種一覧!おすすめの使い方も解説
本記事では、それらの質問に対する答えとして、AIツールの基礎知識とおすすめのAIツールをご紹介いたします。
リライトに関するよくある質問
メタディスクリプションのリライトを検討しています。気をつけるべき点はありますか?
メタディスクリプションのリライトの場合、SEO対策を意識するというよりは、クリックしたくなるような文章にリライトすることが大切です。
ユーザーがサイトを閲覧するかの判断基準になるため、キーワードを含めつつ、魅力的な内容にしましょう。
メタディスクリプションとSEOの関係
メタディスクリプションは、ユーザーがサイトを訪問するか否か決める重要な項目の一つです。検索結果に表示された際に、ユーザーが「思わずクリックしたくなる」ような文章を設定する事をおすすめします。
リライトを実施すれば検索順位は上がりますか?
リライトをしたからといって、必ず検索順位が上がるわけではありません。適切なリライトを行わなければ、逆に順位が下がってしまうことも十分にあり得ます。
効果を見込めるリライトをするには、この記事で解説してきた内容を参考にしてみてください。
まとめ
リライトは、ユーザーにより満足してもらえるコンテンツに仕上げるために欠かせない、非常に大切な施策です。
適切にリライトをすることで、検索順位の上昇を狙えるようになります。
キーワードに対するユーザーニーズをきちんと把握し、「E-E-A-T」を意識してリライトしましょう。
ここまで様々なポイントやコツ、注意点などを解説しましたが、何よりも大切なのは「ユーザーが求めている情報を追加する」ことです。
第一にユーザーファーストを心がければ、ユーザーからもGoogleからも評価されるコンテンツになります。