日頃サイトを更新していくなかで、情報をわかりやすく伝える能力は必要不可欠です。しかし、「文章の書き方がわからない」というWeb担当者も多いのではないでしょうか。
文章を書く法則はいくつかございますが、今回は初心者でも情報を簡単にわかりやすく伝えられるPREP法についてご紹介します。
PREP法のメリットや書き方、SDS法との違いを理解し、活用していきましょう。
この記事のレベル
重要度 | (4) |
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初心者度 | (4.5) |
難易度 | (2) |
この記事で学べること
- PREP法のメリット
- 例文つき!PREP法の書き方
- PREP法とSDS法の違い
PREP法とは?
PREP法とは、「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(結論)」の頭文字をとったもので、相手に文章の内容をわかりやすく伝えるための文章構成です。
「結論→理由→具体例→結論」の流れに沿って、初めに結論や主張などの要点から伝え、結論に至った理由を説明し、理由の根拠となる事例やデータを示したうえで、最後にもう一度要点を伝えます。
物語を書く際には、有名な文章構成の「起承転結」がよく利用されますが、プレゼンや上司への報告などのビジネスシーンでは、わかりやすく説得力のある文章が書ける、PREP法が適しています。
PREP法3つのメリット
PREP法には3つのメリットがあります。
- 説得力がある
- 短時間で伝わる
- 文章が書きやすい
説得力がある
「結論→理由→具体例→結論」の流れに沿って情報を伝えるPREP法では、読み手や聞き手が1つずつ納得しながら、内容を理解できます。
最初に主張したい「結論」を伝えると、読み手や聞き手が意図を理解しやすくなります。
続いて「理由」や「具体例」を説明すると、「結論」につながる展開が理解できるため、最後に再び「結論」を聞いたときに、納得しやすくなるのです。
「結論」の次に「理由」があり、「理由」の根拠をすぐに「具体例」で示すため、説得力のある文章を作成できることが、PREP法の大きなメリットです。
短時間で伝わる
最初から「結論」を伝えるPREP法は、伝えたい内容が明確になるため、相手に要点が伝わりやすくなります。
「理由→具体例→結論」のように、「結論」を最後に伝える流れでは、要点が最後までわからないため、読み手や聞き手が何を主張したいのか理解できずに、ストレスを感じるでしょう。
一方、PREP法を用いて「結論」から伝えると、一度の説明で内容を理解してもらえるため、もう一度読み返したり聞き返したりする、不要な時間を減らせます。
最初に要点から伝え、不要な時間を減らすことは、SEO対策でも有効です。
例えば、ダラダラと書かれたWebページを、ユーザーは読みたいとは思いません。最初の数行で興味や関心がなくなってしまうと、すぐに離脱してしまいます。
特に、検索エンジンでキーワードを検索してWebサイトを訪問したユーザーは、Webページの冒頭に検索したキーワードがなければ、求めている情報はないとすぐに判断し、直ちに離脱する可能性が高まります。
Webページを作成する際には、ユーザーの離脱を防ぐためにも、PREP法が大いに役立ちます。
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文章が書きやすい
PREP法を用いると、「結論→理由→具体例→結論」の流れに沿って書くだけですので、構成や伝え方を考える時間を省いて、スムーズに文章を作成できます。
また、PREP法を用いた文章作成に慣れると、論理的で説得力がある、わかりやすい文章を簡単に書けるようになるため、様々なシーンで活かせるでしょう。
例文でわかるPREP法の書き方
PREP法の構成やメリットが理解できたら、書き方も把握しておきましょう。
例文を用いて、PREP法の書き方をわかりやすくご紹介します。
PREP法の構成要素
結論 | 「○○は□□です」のように、最初に結論を述べます。 |
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理由 | 「なぜなら、~だからです」のように、理由を述べます。 ユーザーの「なぜこのような結論に至ったのか?」の思いに対して、結論の根拠を示します。 |
具体例 | 「例えば、~です」のように、具体例を示します。 ユーザーの「根拠は本当なのか?」の疑問に対して、具体例を挙げて説得力を高めます。 |
結論 | 「そのため、○○は□□です」のように、再度結論を述べます。 ユーザーに結論を印象づけるために、結論を繰り返します。 |
構成要素を書く際のポイント
結論
結論から述べると、読み手や聞き手に興味・関心を持ってもらえるため、先に読み進めてもらえます。
多くの人が先に結論を知ってしまうと、「なぜ結論に至ったのか?」と理由を知りたくなるからです。特に、Webページのユーザーは、結論を先に求める傾向があります。
知りたい結論が見つからないと、すぐに離脱してしまいますので、Webページを作成する際には、先に結論から述べることが重要です。
理由
読み手や聞き手の「理由を知りたい」という欲求を満たすために、結論を述べたらすぐに理由を伝えましょう。
Webページで結論の直後に理由を述べないと、ユーザーの「結論の理由を知りたい」というニーズを満たせなくなるため、離脱する恐れがあります。
結論に至った理由をしっかりと明記しておけば、ユーザーが納得して読み進められるだけではなく、Webページの信頼性も向上します。
具体例
PREP法の構成要素の中で、最も重視したいのが具体例です。
具体例には、サンプルとなる例文や「例えば~」を用いた例え話、データや統計、書籍やWebサイトからの引用などがあります。
具体例がないと、内容がわかりにくくなるため、Webページに対するユーザーの満足度が下がってしまいます。
Webページを作成する際は、結論と理由よりも、具体例を多くしましょう。
結論
具体例で文章の具体性を強化したら、最後に結論を再び述べて文章を締めます。
ポイントを箇条書きにしたり、文字の大きさや色を変えたりと、見せ方を工夫すると、重要な結論をユーザーに印象づけられます。
PREP法の例文
実際にPREP法を使って作成した、例文をご紹介します。
例文1.
結論:私はオルゴールを聴くのが好きです。
理由:オルゴールを聴くと、気持ちが落ち着くからです。
具体例1:オルゴールからは人間の耳では聞き取れない、高周波と低周波が出ています。リラックス効果のある高周波と低周波を体で感じることで、体も心も癒されます。
具体例2:オルゴールは病院の待合室などでも流れており、心地よい音色を聴くとついつい眠たくなってしまいます。
結論:気持ちが落ち着き、心身ともにリラックスできますので、私はオルゴールを聴くのが好きなのです。
例文2.
結論:鶏の胸肉はダイエットに最適の食材です。
理由:なぜなら、高タンパク質かつ低カロリーだからです。淡白な鶏の胸肉はアレンジしやすいため、飽きずにダイエットを続けられます。
具体例:ダイエットメニューで有名なプライベートジムの公式サイトでも、様々な鶏の胸肉のレシピが紹介されています。
結論:このように、栄養豊富で美味しく食べられる鶏の胸肉は、ダイエットに最適なのです。
例文3.
結論:販促キャンペーンの開始を、3日遅らせます。
理由:お客様にお渡しするノベルティのハンカチに不具合があり、作り直す必要があるからです。
具体例:不具合の内容はプリントのズレで、業者がプリントをやり直して納品するまでに、最短で1日、遅くて3日かかります。
結論:そのため、最も遅い納期を考慮し、キャンペーンの開始を3日遅らせることにしました。
PREP法とSDS法の違い
相手に簡潔にわかりやすく内容を伝える文章構成には、PREP法以外にも、SDS法があります。
PREP法とSDS法にはどのような違いがあるのかも、確認しておきましょう。
SDS法の構成要素
SDS法とは、「Summary(要点)」「Detail(詳細)」「Summary(要点)」の頭文字をとったものです。
最初に伝えたい内容の要点を明示すると、相手は概要を把握できるため、詳細を理解しやすくなります。
内容を端的に伝えられるSDS法は、ニュース番組やプレゼン、スピーチや自己紹介などで多く用いられています。
SDS法の例文
例文1.
要点:新鮮な野菜を産地直送でお届けします。
詳細:弊社は農園と直接契約しており、ご注文いただいてから収穫した野菜を、当日中に宅配便で出荷します。
要点:鮮度の高い旬の野菜を、ぜひお試しください。
例文2.
要点:入院する際の暇つぶしには、電子書籍をおすすめします。
詳細:入院時には日用品やパジャマなど、様々な荷物があるため、何冊も本を持って行くのは大変です。電子書籍ならスマホやタブレットにデータを入れておけば、端末1つで何百冊もの本を読めます。
要点:入院中に読書を楽しみたい方には、電子書籍をおすすめします。
PREP法とSDS法の使いわけ
要点を最初と最後に述べるPREP法とSDS法ですが、異なる点もあります。PREP法とSDS法では、話の重点をどこに置くのかが異なります。
PREP法の最も重要な部分は「結論」です。
「結論」を納得してもらうために、「理由」や「具体例」を加えるため、理解をより深められます。
PREP法は研修やセミナーなど、相手に深く理解してもらいたいシーンに向いています。
一方、SDS法では「詳細」が最も重要です。
わかりやすく記憶に残るため、ニュースや上司への報告など、短時間で印象づけたいシーンに向いています。
まとめ
PREP法は、相手に情報をわかりやすく伝えるための文章構成です。
慣れないうちは、PREP法の文章構成に従って書くことを、難しく感じるかもしれません。
しかし、伝える順番を守って書き進めるだけで、誰でも簡単に論理的でわかりやすい文章を書けるようになります。
PREP法はWebページの文章の作成以外にも、プレゼンやセミナー、自己紹介やスピーチなど、様々なシーンで活用できますので、ぜひPREP法を使って文章作成のスキルを向上させましょう。