
Webサイトを運用するうえで、ページ表示速度はとても重要です。なぜならユーザビリティに大きな影響を与えるからです。
そしてその指標を算出するツールとして使えるのが、今回ご紹介するページスピードインサイトです。
ページスピードインサイトの概要や使い方、ページ表示速度の改善方法を学び、ユーザビリティを向上させていきましょう。
この記事のレベル
重要度 | (4) |
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初心者度 | (4) |
難易度 | (2) |
この記事で学べること
- ページスピードインサイトの概要
- ページスピードインサイトの使い方
- ページスピードを改善する方法
ページスピードインサイトとは?
そもそもページスピードとは?
ページスピードとは、Webサイト・ページの表示にかかる速さを指します。
ページが表示されるまでの時間が長いと、その間にユーザーが閲覧をやめてしまう可能性があります。
そのため、ページスピードはサイトアクセスだけでなくコンバージョンのためにも重要な要素なのです。
こちらでは、ページを表示する速度を診断する「ページスピードインサイト」について解説します。
ページスピードインサイト
ページスピードインサイト(PageSpeed Insights)はGoogleが提供するツールの一つで、Webページの表示速度を測定できるものです。
URLを入力するだけで測定でき、0~100の数字と、以下3段階の評価結果が表示されます。
- Good(90以上)
- Medium(50~89)
- Low(49以下)
また、ページスピードインサイトのスコアは、モバイルは70点以上、デスクトップは90点以上を合格点として考えます。
不合格の場合は、どこを改善するべきなのか、どう改善したらいいのかといったアドバイスもしてくれます。助言の中には技術的なポイントも多く、技術・ノウハウがない方でも表示速度改善のポイントを知ることが可能です。
ページスピードインサイトは、Googleアカウントを持っていなくてもどなたでも利用できます。
ページスピードインサイトの使い方
ページスピードインサイトは、以下の手順で利用できます。
STEP 1 アクセス
まずはページスピードインサイトにアクセスします。
ページスピードインサイトで不合格の影響
こちらではページスピードインサイトの評価が悪いと、どのような影響があるか解説します。
直帰率が高くなる
直帰率とは、サイトにアクセスしたユーザーが、サイト内の他のページを見ずに離脱した割合のことです。表示速度が遅いと、直帰率が高まる傾向にあります。
表示されるまでに1~3秒かかる場合は約30%、1~5秒の場合は約90%も直帰率が高くなるといわれています。
ユーザーはより速く表示されるサイトを求めており、表示されるまでに時間がかかればかかるほど、ユーザーを逃してしまっているのです。
SEOに悪影響をもたらす
SEO対策においても、Webサイトの表示速度は重要な項目の一つです。表示されるまでの時間が長いと、検索結果の順位にも悪影響をおよぼしてしまいます。
Googleでは、クローラーがページをまわって情報をデータベースに集めていきます。
しかし、クローラーが一つのサイトをチェックする時間は決まっているため、ページが表示される速度が遅いと、時間内にサイトの情報を読み込むことができないとされているのです。
そうなってしまうとGoogleがサイトの情報を登録できず、SEO的にもマイナスになってしまいます。
こういった悪影響が考えられるため、ページスピードインサイトなどを活用して、表示速度の改善に努める必要があるのです。
SEOに有効な改善策
ページスピードインサイトの評価をもとにWebサイトの改善を行いたい場合、以下のような方法があります。
METHOD 1画像を最適化
画像の読み込みにかかる時間も、サイトの表示速度に影響します。そのため画像を最適化すると、ファイル容量が少なくなってサイトの表示スピードが速くなります。
画像サイズの警告が出ている場合、対象の画像を圧縮したり変換したりして最適化を行いましょう。画質を下げずにデータ量を下げる「ロスレス圧縮」などもあるため、適した方法を活用してください。
また、画像の最適化には「画像フォーマット」も重要なので、JPEG・PNG・GIFなど、一般的な画像フォーマットを把握しておきましょう。
METHOD 2ブラウザのキャッシュ活用
「ブラウザのキャッシュを活用する」といった表示が出ることもあります。この場合は、ブラウザのキャッシュ設定を変更しましょう。
ブラウザのキャッシュとは、アクセスした際に読み込んだ情報を一時的に保存しておく機能のことです。保存しておくことで、次回同じページにアクセスした際に、その情報を使って素早く開くことができます。
何度も訪れるページでアクセスする度に時間がかかってしまうと、ユーザーにとって負担になってしまいます。
キャッシュの保存を許可していない、保存期間が短い設定になっている可能性があるため、設定の変更を検討しましょう。
METHOD 3CSSやHTMLのソースコードを軽量化
CSS・HTML・JavaScriptに関する警告が出るケースもあります。
CSSやHTML、JavaScriptはサイトを作るために欠かせないものですが、コードの量が多い=読み込みに時間がかかることになります。
そのため、警告が出たものの縮小を検討しましょう。
使用していないコード、無駄な改行・空白など、各ソースコードでいらない部分を探して削除すると、データ容量が減って読み込みが速くなる可能性があります。
また、無料のツールを使ってコードを圧縮する方法もあるため、適した方法を選んで対策しましょう。
METHOD 4リダイレクトの見直し
意味のないリダイレクト設定があると、表示速度が遅くなってしまいます。
リダイレクトとは、サイトやページを新しく作った際に、古いページから新しいページへ移動させるなど、自動的に移動させるための設定です。
モバイル対応としてリダイレクト設定しているケースもあるため、設定の変更やWebページのリニューアルなどを検討しましょう。
METHOD 5サーバー応答時間の削減
サーバーからWebページを読み込む速度も、サイトスピードに影響する要素です。
サーバーのスペックが低いほか、メモリが足りていない、phpバージョンが古いといったことが原因として考えられます。
サーバーの読み込み速度の遅さには様々な原因が考えられるため、エンジニアなど知識がある方にサポートしてもらって詳細を調査し、対策を取りましょう。
ページスピードインサイトのよくある質問
LCPとかFIDってなんですか?
Googleが提示するサイト改善のための指標です。
「LCP」「FID」「CLS」の3つがあり、それぞれを指標としてサイトのコンバージョン率や離脱率の改善を図ることができます。
それぞれの詳細は、以下のページでも解説しておりますので、ぜひチェックしてみてください。

コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)を構成する3つの指標と有効なツールについて解説していきます。また、簡単に指標を改善させる方法も紹介しますので、ぜひ概要を理解してサイトの改善に活用しましょう!
画像を最適化以外で対策できますか?
ページスピードインサイトの結果をもとに画像の最適化を行う際は、WebPを採用するのもおすすめです。
WebPはGoogleが開発した次世代の画像フォーマットで、画質はそのままで容量を減らすことができます。
対応していない画像編集ソフトやブラウザもあるため、その点には注意が必要です。
まとめ
ページスピードインサイトは、Webページが表示される速度を調べられるツールです。Googleが提供しているツールで、アカウント登録なども不要でどなたでも気軽に活用できます。
0~100の数字で分析結果が表示され、どこを改善するべきかアドバイスなども見ることが可能です。
ページスピードが遅いとWebサイトの直帰率が高くなるほか、SEOの面でも悪影響をおよぼしてしまいます。ユーザー獲得のためにも改善していくようにしましょう。
画像の最適化、キャッシュ活用、ソースコードの軽量化など、原因に合わせた対策を取っていくのがおすすめです。