「パンくずリスト」
この単語を見て、何かわからないWeb担当者はぜひこの記事を最後までご覧ください。
初めて聞きましたし、なんのことか全く見当がつきません。
簡単に説明すると、Webサイト上の現在地を示すもので、Webサイトにおいてとても重要なものだよ。
この単語からは想像ができないよね。
SEOタイムズ編集長が、Web担当者にとってとても重要と伝えた「パンくずリスト」。
今回は、パンくずリストの種類やSEO効果、メリットをご紹介します。
この記事のレベル
重要度 | (4) |
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初心者度 | (4) |
難易度 | (3) |
この記事で学べること
- パンくずリストの種類
- パンくずリストを使うメリット
- パンくずリストを設定する際の注意点3選
パンくずリストとは?
Webサイトを閲覧している際に、上部に「TOP>SEO対策>内部対策>URLの正規化」といった表示を、見たことがあるかと思います。
Webサイトを訪問したユーザーが、Webサイト内のどこにいるのかをわかりやすくするために、Webページの階層順にリスト化して表示したものが、パンくずリストです。
パンくずリストの名前の由来は、グリム童話の「ヘンデルとグレーテル」の有名な場面です。物語では、主人公の兄妹が森で迷わないように、通ってきた道にパンをちぎって置いていき、帰る際の道標にする場面があります。
Webサイト内でも同じように、ユーザーがWebサイト内で迷子にならないように、ユーザーがたどってきたWebページを示すものを、パンくずリストと呼んでいます。
面白い名前!って思っていたけどこんな由来があったのですね!
パンくずリストの種類
パンくずリストには主に3つの種類がありますので、それぞれの特徴を確認しておきましょう。
- 位置型パンくずリスト
- 属性型パンくずリスト
- パス型パンくずリスト
位置型パンくずリスト
最も一般的なパンくずリストが、ユーザーの現在地を表す「位置型パンくずリスト」です。
例
TOP > SEO対策 > 内部対策 > URLの正規化
「トップページ>大カテゴリー>中カテゴリー>記事」と、現在地までの階層をすべて表示するため、Webページへのたどり着き方が異なっても、表示されるパンくずリストは変わらないことが特徴です。
ユーザーが閲覧しているWebページがどの階層なのか、ひと目で現在地を把握できる位置型パンくずリストは、上の階層に1クリックで簡単に戻れるため、ユーザーの利便性が高まります。
階層構造が多いWebサイトに、よく使われています。
SEOタイムズでも位置型パンくずリストを採用しているよ!
属性型パンくずリスト
現在のWebページにたどり着いた過程を表示したものが、「属性型パンくずリスト」です。位置型パンくずリストとは異なり、ユーザーの操作によって表示されるパンくずリストが変化します。
例
- ユーザーA:中古車>200万円以下>8人乗り>車X
- ユーザーB:中古車>8人乗り>走行距離5万Km以下>車X
例えば、ユーザーAは「中古車」の「200万円以下」の中から、「8人乗り」を探して車Xにたどり着きました。一方、ユーザーBは「中古車」の「8人乗り」の中から、「走行距離5万Km以下」を探して、車Xにたどり着いています。
どちらも車XのWebページにたどり着きましたが、過程が別々であるため、属性パンくずリストでは、ユーザーAとユーザーBでは表示が異なります。
検索フィルターの役割を担う属性型パンくずリストは、ECサイトの他、中古車販売サイトや不動産情報サイトなどで、主に使われています。
パス型パンくずリスト
ユーザーが閲覧した履歴を表示することから、「履歴型のパンくずリスト」の別名でも知られているのが、「パス型パンくずリスト」です。
例
検索結果 “50型テレビ”>商品A>カテゴリー“家電”>カテゴリー“テレビ”
例えば、ECサイトで「50型テレビ」を検索し、商品Aにたどり着いてから、さらに商品を探すために、「家電カテゴリー」「テレビ」の順でWebページを開くと、例のように表示されます。
パス型パンくずリストは、ブラウザの「戻る」と機能がほぼ同じで、本来の役割を果たさないため、最近ではほとんど採用されていません。
パンくずリストのSEO効果
パンくずリストを設定することで、SEO効果が期待できます。SEO効果が期待できる、具体的な理由をご紹介します。
Googleが推奨している
Googleは「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」で、パンくずリストの使用は、Webサイトの構造の整理に役立つと明記しています。
パンくずリストを設定すると、ユーザーが現在地を把握したり、Webサイト内をスムーズに移動できたりするため、ユーザビリティの向上につながるからです。
新しいWebページがインデックスされやすくなる
パンくずリストを設定することで、カテゴリーページへのリンクが増えるため、新しいWebページがカテゴリーをとおして、クローラーに認識されやすくなります。
パンくずリストを使うメリット
パンくずリストを使うことには、主に2つのメリットがあります。
ユーザーの利便性が上がる
パンくずリストを使うことで、ユーザーが探している情報にたどり着きやすくなるため、利便性が向上します。
例えば、新しいテレビを探している際に、大きさで悩んだとします。
「テレビ>液晶テレビ>32型」、「テレビ>液晶テレビ>40型」、「テレビ>液晶テレビ>50型」などのパンくずリストがあれば、すぐに他の大きさにもたどり着けるでしょう。
特に、ECサイトなどの階層構造が複雑で大規模なWebサイトは、ユーザーがWebサイト内での現在地を把握しにくくなります。
視覚的・直感的に現在地やたどり着いた過程を教えられるパンくずリストを設定すると、ユーザーに「使いやすい」と感じてもらえるため、利便性の向上につなげられます。
クローラーの巡回に好影響を与える
パンくずリストはユーザーだけではなく、検索エンジンにWebページの情報をインデックスする、クローラーの巡回にも役立ちます。
検索エンジンは、クローラーが収集したWebサイトの情報とアルゴリズムをもとに、検索結果の順位を決定しています。しかし、Webサイトの構造が複雑だと、クローラーが隅々まで巡回しきれなくなり、インデックスできないことで、検索結果に表示されない事態も発生するでしょう。
パンくずリストを設定することで、クローラーがWebサイト内を巡回しやすくなります。
クローラーが効率的に巡回できるようになると、Webページの正しい情報をクローラーが認識しやすくなるため、評価を高めて検索順位の向上につなげることが可能です。
パンくずリストの設定で心がけること
パンくずリストを設定する際に心がけたい、3つのポイントをご紹介します。
簡潔に記載する
パンくずリストは簡潔でわかりやすいものにしましょう。「トップページ>大カテゴリー>小カテゴリー>記事や商品ページ」と、階層順に記載することをおすすめします。
特に、規模が大きいWebサイトでは、パンくずリストが長くなってしまいますので、簡潔なリスト作りを意識し、階層の見直しも行うことが大切です。
対策キーワードを含める
パンくずリストに対策キーワードを入れることで、ユーザーにわかりやすくなるだけではなく、対策キーワードで検索した際に、検索結果に表示される可能性が高まります。
ただし、無理に複数回入れるなど、不自然にキーワードを入れることは避けましょう。パンくずリストが見にくくなるだけではなく、SEO評価も低くなってしまいます。
レスポンシブ対応にする
最近では、パソコンよりもスマホでWebページを閲覧するユーザーが多いため、パンくずリストもスマホで見やすいようにしましょう。
スマホの画面でパンくずリストを見やすくするには、フォントサイズを下げたり、改行したりする工夫が必要です。
パンくずリストの注意点3選
パンくずリストを設定する際に気をつけたい、注意点3選をご紹介します。
関連性のあるパンくずリストを設定する
関連性のないものを並べてしまうと、ユーザーだけではなく、クローラーにもわかりにくくなってしまいます。Webサイトの構造をわかりやすくするためには、関連性を意識しましょう。
例
- 【 × 】TOP>家電>季節家電>パソコン
- 【〇】TOP>家電>季節家電>こたつ
こたつは季節家電ですが、パソコンは季節家電ではありませんので、クローラーに正しい情報を伝えられません。
パンくずリストの関連性が低い場合は、Webサイト内の構造を適切に整理し、ユーザーとクローラーにわかりやすくしましょう。
Webサイトを作成する前から、サイトの構造を整理しておくと後が楽になるよ!
メインコンテンツよりも目立たせない
パンくずリストがメインコンテンツよりも目立ってしまうと、ファーストビューにも悪影響を与えてしまうため、ユーザーに読み進めてもらえなくなる可能性があります。
パンくずリストは、シンプルなテキストとわかりやすい色で設定しましょう。
Webサイト内の構造を明確に設計しておく
ユーザーにわかりやすいパンくずリストを設定するためには、Webサイト内の構造を最初に設計する必要があります。
Webページが増えるに連れ、Webサイト内の構造の変更が難しくなるため、最初にしっかりとWebサイトの構造を設計しておくことが重要です。
よくある質問
パンくずリストを2つ以上作る意味はありますか?
パンくずリストを2つ以上作っても問題はありません。
ただし、クローラーは最初のパンくずリストしか読み取らないため、読み取ってもらいたいパンくずリストを最初に表示させましょう。
WordPressではどのように設定すればいいの?
WordPressでパンくずリストを設定するには、プラグインの導入が簡単です。パンくずリストを設定できる、2種類のプラグインをご紹介します。
プラグインを導入するときは、レビューのチェックや他のプラグインとの干渉に気をつけてね!
WordPressプラグイン:Yoast SEO
「Yoast SEO」は、パンくずリスト専用ではありませんが、パンくずリストの機能を備えている、統合型SEO対策プラグインです。
無料版と有料版があり、無料版でもコンテンツのSEO解析やXMLサイトマップの作成など、様々な機能を利用できるため、SEO対策におすすめします。
WordPressプラグイン:Breadcrumb NavXT
名前のとおり、パンくずリストを表示してくれるプラグインが、「Breadcrumb NavXT」です。ホームページや投稿ページ以外にも、親ページやタグリストページなど、様々なWebページにパンくずリストを設定できます。
比較的カスタマイズの自由度が高いため、様々なアレンジを楽しめますが、目立ちすぎないように注意しましょう。
HTMLの書き方がわからない方はプラグインがおすすめ
パンくずリストは、Webサイトを訪問したユーザーが、目的の情報を見つけやすくなるだけではなく、クローラーにも正確に情報を伝えられるため、SEO効果が期待できます。
ただし、Webサイト内の構造が明確になっていない状態でパンくずリストを使っても、十分な効果を発揮できませんので、まずはWebサイト内の構造をしっかりと設計することから始めましょう。
適切なパンくずリストを設定し、ユーザビリティの向上と、効率的なクローリングを実現しましょう!