
Photoshopには様々な機能がありますが、多機能すぎて慣れないうちはどう操作すれば目的のことができるのか分かりにくいと思います。
そのうえ、馴染みが薄く単語から動作を読み取りづらいメニューも少なくないため、何を調べて良いのかも分かりません。
そういった理由もあって初心者にとってはすごくハードルが高いアプリケーションになってしまっている印象があります。
ですので、はじめにPhotoshopの基本的な画面の見方と各パーツの名称を確認しましょう。
画面の見方をおさえましょう

画像の通りPhotoshopは1つの画面のなかでいくつかのパーツに分かれています。
- メニューバー:Photoshopアイコンがある最上部の横並びの列
- オプションバー:メニューバー下部にある列
- ツールバー:画面左側に縦に並んでいる列
- パネル:右側に縦で配置されている操作画面
- ドキュメント:中央にある画像などが配置される画面
※「オプションバー」はツール選択によって内容が変わりますので、「あれ?最初と違ってない?」と焦らなくても問題はありません。
メニューバーの基本的な見方と役割
メニューバーでできる事は?
Photoshopの基本的な操作、画面や機能の設定、細かな加工等を行うことができます。
それぞれの役割は?
ファイル
新規作成や保存や書き出しができる。
編集
コピーやペースト、画像を自由変形したりできる。
イメージ
画像の解像度やカンパスサイズを後から調整、画像の明るさ調整も基本ここで行えます。
レイヤー
基本的にパネルでの操作が主になってくるので細かなことは後から覚えて行くほうが良です。
書式
書式設定ができますが、基本的な事はパネルの方で出来てしまうので使用頻度はそこまでありません。
選択範囲
画像を切り取る範囲や色を付ける設定をするための操作ができます。
フィルター
写真等の画像をアーティスティックに加工することができます。
ウィンドウ
パネルの出し入れができます。
※ちょっとした作業の時に「パネルが見当たらない!」といった時は、[ウィンドウ]メニューに無いか探してみましょう。
3D / 表示 / ヘルプ
この3つのメニューは基本の画像加工ではほとんど使用しないと思いますが、表示に関してはある程度Photoshopに慣れてくると使用する機 能も出てくると思います。ただ、例外があって、※[表示]メニューに含まれる[ガイド]に関しては、Webサイトや、バナーなどをデザインする際には必須の機能です。
ツールバーの基本的な見方と役割
ツールバーでできる事は?
ツールバーは画像を加工したり、直線や曲線、フリーハンドで絵を描いたり、文字を入れたりするときに使用する機能です。
Photoshopでは最も使用頻度が多いパーツです。
それぞれの役割は?


上の図に一覧をまとめてみました。アイコンと機能が一致するまでは確認しながら作業を行う方がいいかと思います。
慣れてくると「パネル」や「メニューバー」から操作した方が速いのでは?と思うこともありますが、細かな作業にはツールバーから操作する方が便利だったりしますので、いろいろと試しながら、ご自身にあった方法を見つけてみてください。
オプションバーの基本的な見方と役割
オプションバーでできる事は?
オプションバーは、ツールバーの補完機能のため、ツールを変更した際に、表示が変わります。



上の表示のようにツールの基本機能に加えて、細かな設定などを行うことができるので、「こういった事は出来ないのかな?」と思ったらまずは、オプションバーを確認してみることをおすすめします。
パネルの基本的な見方と役割
パネルでできる事は?
画像編集の様々な設定や、便利な機能を実行したりすることができます。例えば、書式設定や画像の色調補正、カラーを設定するパネル等があります。
初心者におすすめのパネルは?
慣れてきたころにはご自身でよく使う機能などをまとめるようになると思いますが、始めのうちは何が良いのか分かりづらいと思います。
個人的に便利だと感じるパネルを掲載いたしますので、参考になれば幸いでございます。

機能は下記の通りです。左上から下に向かって順に記載します。
レイヤー・チャンネル
レイヤーパネルは、画像の重ね順や一時的な表示非表示の切り替え、透明度の変更などが可能です。また、レイヤーモードという、画像を重ねた際の色の変化などを設定できます。画像加工で最も重要なパネルです。
チャンネルパネルは、画像のRGB成分をそれぞれ個別扱うためのパネルです。使う機会が少ないので作業内容によっては無くても問題ないものですが、細かい作業をするときに活躍します。
文字・段落
文字パネルと段落パネルは文字スタイル、インデント禁則処理など、文字組みに関する設定を行えます。文字を扱わない場合には必要ありませんが、活躍の場面の多いパネルです。
色調補正・スタイル
色調補正パネルは、明るさやコントラスト、カラーバランスを設定する機能をまとめたパネルです。
スタイルパネルは、選択中のレイヤーに設定するレイヤースタイルを表示するパネルです。使用頻度の高いレイヤースタイルを事前に定義しておいて、すぐに使えるようにできます。
ヒストリー
作業履歴を一覧にするパネルです。以前の編集状態に戻したり、以前の編集状態から画像を作成したりすることができます。
ナビゲーター・属性
ナビゲーターパネルではドキュメントの拡大や縮小、移動などを行えます。
属性パネルは、選択中のレイヤーの幅や高さ、テキストレイヤーならフォント情報など、各レイヤーに対応する情報が表示されます。
カラー・スウォッチ・パス
カラーパネル・スウォッチパネルはどちらも色に関する設定を行います。カラーパネルではスライダーを操作して、スウォッチパネルでは用意した色の一覧から選択して、使う色を決めることできます。
パスパネルは、点と線の組み合わせで作成した『パス』を扱うためのパネルです。パスから選択範囲を決定したり、反対に選択範囲からパスを作ったりできます。
基本的な組み合わせは上の図の様になります。
しかしパネルを表示した状態では、ドキュメントが狭くなってしまうため、作業しづらくなります。とはいえ消してしまうと、メニューバーの[ウィンドウ]から開かなければならず、手間がかかってしまいます。
「使うけど頻繁には使わないかな?」と思ったら、下の図のようにパネルをアイコン化しておくと、ドキュメントを広げられるので便利です。

Photoshopに頻出する基本用語と、基本操作について
ピクセル(Pixel, px)
デジタル画像を限界まで拡大した際に1つ1つの点で構成されているのですが、これを「ピクセル」と言います。他にも「画素(画素数)」や「ドット」と呼ばれることもあります。
解像度
解像度とは、ピクセルを物理的な長さで表す時に使われる単位のことで、「dpi」と言います。
これはdots per inchの略で、1インチ(2.54cm)に含まれるドットの数のことを指しています。dpiの数値が大きいほどピクセル(ドット)がたくさん含まれているため、細かな描写が可能になります。
高解像度になればその分データサイズも大きくなります。あまりデータサイズが大きすぎるとWebではページの表示スピードが遅くなることもあるので、Web用なのか印刷用なのか、用途によって解像度は使い分けられています。
像度あればが十分なWeb業界では『72dpi』、密度の高い画像が必要な印刷業界では『350dpi』が目安になっています。
カンバスの新規作成
Photoshopでデザインを始めるときには、まず、新しく『カンバス』を作成する必要があります。Photoshopを起動した後、メニューバーの[ファイル]からカンバスを作成することができます。

Step1新規ドキュメントを開く
メニューバーの「ファイル」から[新規(N)]をクリックすると『新規ドキュメント』の設定画面が開きます。
Step2プリセットの詳細を設定
プリセットの詳細から幅、高さを入力します。データ名は保存する際に入力できますが、この時点で入力していても問題はありません。
解像度も設定しておくことおきましょう。(Webは72dpi 印刷用は350dpi)
カラーモードはWebではRGB 8bit(印刷用はCMYK 8bit)が基本です。(8bitで使える機能が16bitだと使用できない場合もあることが理由です。16bitの方が劣化は少ないのですが、人の目で見る分には8bitで十分なためです。)
カンバスカラーは白がおすすめです。
※詳細オプションは基本的な画像加工を行う上では変更する必要はありません。
「作成」ボタンをクリックで指定したカンバスが下の図の様にウィンドウ画面に表示されます。

※ショートカットを使う場合はPhotoshopを起動した後に「Ctrl+N」を押すと、新規ドキュメントの作成画面が開かれます。後の設定は上記のとおりです。
アートボード使用の開き方

アートボードは、上の図の様に同じドキュメント内で「複数のカンパス」を使って制作する必要がある場面で使用します。アートボードの要素の階層は、レイヤーパネルに表示されます。
しかし、他のアートボード内のレイヤーを含めることはできません。
【使用例】
同じ商品、同じ内容、しかしカタチと配置が違うデザインを行うグッズ商品 等
※アートボードは作成した後からでもサイズの変更は可能です。
覚えておきたいこと
バージョンによっては表記方法が違うと思いますが、新規ドキュメントを開いた際に、「保存済み」や「写真」「印刷」といったタブがあります。
クリックすると一般に使用されることの多いサイズのドキュメントプリセットが表示されるので、それを使用した方が間違いは少なくなります。

画像の開き方
0からデザインするのではなく写真やイラストを加工する場合、新しくカンバスを作ってしまうと、幅や高さを設定するのが少し手間に感じてしまうと思います。
そういった場合には、画像を直接開くことで、すぐに作業を始められます。
基本的な開き方
メニューバーから[ファイル]→[開く]の順に選択すると、OS標準のファイルマネージャーが表示されます。
そこで編集したい画像、もしくは、Photoshopデータを選択し、「すべてのファイル形式」はそのままで「開く」をクリックします。


ショートカットを使用する場合「Ctrl+O」を押したら、ファイルマネージャーが表示されますので、上と同じ用に画像か、Photoshopデータを開いてください。
開けない場合の対応方法(Camera Rawについて)

間違いなく画像ファイルであるにもかかわらず開けないときは、メニューバーから[ファイル]→[指定形式で開く]の順で選択してデータを開きます。

「すべてのファイル形式」ではなく、「Camera Raw」を選択して開く

Camera Raw専用の編集画面で画像が開くので、そのまま下部にある「画像を開く」ボタンをクリックします。ドキュメントに移動するのでそこから編集開始します。
データの保存
上書き保存
現在編集中の画像ファイルや、Photoshopデータをそのまま上書きする場合はメニューバーの[ファイル]から[保存]を選択します。
ショートカット:Ctrl + S
別名で保存
現在編集中のファイルを上書きしたくない場合は、別のファイル名、もしくは、ファイル形式を変更して保存することができます。
メニューバーの[ファイル]から[別名で保存]を選択します。
ショートカット:Ctrl + Shift + S
データの書き出し
Web用に保存
編集が完了して、実際に画像ファイルに書き出しをする際には、メニューバーから[ファイル]→「書き出し」→「Web用に保存(従来)」の順に選択します。
ショートカット:Ctrl + Shift + Alt + S
書き出し形式
1つのデータに複数のアートボードがある場合や、リサイズしたり、圧縮率を変更したり、細かな調整して書き出したい場合にはメニューバーから[ファイル]→[書き出し]→[書き出し形式]の順に選択します。
ショートカット:Ctrl + Shift + Alt + W