
JavaScriptはブラウザ上で動作させるために開発されたプラグラミング言語ですが、それをサーバーサイドでも動作するように開発された実行環境が『Node.js』です。
Node.jsは現在非常に注目を集めている実行環境で、リアルタイムにおける処理が非常に高速なこともあり、ウェブ制作におけるツールもNode.jsを利用したものが増えてきました。
しかしNode.jsは、良くも悪くも開発のペースが早すぎるせいで、仕様変更により互換性がなくなってしまう問題がよく発生します。
そのため、Node.jsの利用には『バージョン管理システム』を経由した導入が推奨されています。
なんだかすごくややこしいですね。まずは『習うより慣れろ』ということで、この記事ではNode.jsの詳しい説明は行わず、Node.jsのバージョン管理システム導入からNode.jsのインストールまでをゴールとして、解説していきます。
WindowsにおけるNode.jsのインストールについて
Node.jsはインストールから実行含めターミナルによるコマンド操作が基本となります。
Windowsの場合、デフォルトで備わっているコマンドプロンプトはとても貧弱で実用的ではないため、まずは代わりとなる『ターミナルエミュレータ』をWindowsにインストールする必要があります。
Macでのインストール方法は下記記事をご覧ください。

Node.jsのインストール (Mac編)
この記事では、MacにおけるNode.jsのインストールを、バージョン管理システム『ndenv』を経由して解説します。
『cmder』のインストール

『cmder』はWindows用のターミナルエミュレータです。
非常に使い勝手が良いおすすめなアプリケーションですので、今回はWindowsのターミナルエミュレータとしてcmderを利用することを前提として解説を進めていきたいと思います。
Step 1
cmderの公式にアクセスし、ページ下にある『Download mini』ボタンをクリックしてcmder本体をダウンロードします。

Step 2
ダウンロードしたファイルを展開してできたフォルダ『cmder_mini』を、Windowsの『C:\Program Files (x86)/』に移動します。
移動したあとのフォルダ階層は『C:\Program Files (x86)\cmder_mini\』になります。

Step 3
『cmder_mini』フォルダの中にある『Cmder.exe』をクリックしてCmderを起動します。
Step 4
右下にある+ボタンの右にある下矢印をクリックします。

Step 5
『2: {PowerShell}』をクリックします。

Step 6
左下に『powershell.exe』とタブが出ていたらOKです。

Step 7
試しに『ls』と入力し、Enterを押して動作確認してみてください。
現在開いているフォルダ配下にあるファイルやフォルダ名が表示されます。ひとまずエラーを吐かなければここではOKです。

このままの設定ではcmderを起動するたびに『cmd.exe』が開くので、毎回『powershell.exe』を初回起動できるように設定します。
『cmder』の初期設定
Step 1
cmderの左下にある横棒が3つ並んだメニューをクリックします。

Step 2
メニュー詳細が開きますので、その中にある『Settings…』をクリックします。

Step 3
Settingsメニューが開きました。次に左のナビゲーションから『Startup』をクリックします。右メニューが変わります。
その中の『Specified named task』にチェックを入れ、セレクトメニューから{PowerShell}を選択します。最後に左下にある『Save settings』をクリックして設定を保存します。

これで次回起動時から、cmderを立ち上げると自動でPowerShellが起動するようになります。
バージョン管理システム『nodist』のインストール
では早速cmderを使い、次はWindows用のNode.jsバージョン管理システムである『nodist』をインストールしていきます。
WindowsでNode.jsを動作させるには、Node.jsのバージョン管理だけでなく様々な初期設定も自動で行ってくれるバージョン管理システム『nodist』がおすすめです。
ここではcmder起動時にデフォルトで指定されているWindowsのユーザーディレクトリ配下のまま、nodistのインストール方法を解説していきます。
Step 1
まずはnodistのインストーラをダウンロードします。
nodistの公式リリースページからNodistSetup-vX.X.X.exeをクリックしてダウンロードします。※Xはその時々のバージョンが入ります。
Step 2
ダウンロードが終わったら、インストーラであるNodistSetup-vX.X.X.exeをダブルクリックしてWindowsへインストールします。
Step 3
インストールが終わったら、cmderからnodistが動作しているか確認します。
確認方法として、cmderでnodistのバージョンを表示してみます。cmderを開いて、nodist -vとコマンドを打ち込みます。
$ nodist -v

Step 4
コマンドを入力してしばらく待っていると、バージョン情報が表示されます。
以下の画像のようになっていればnodistのインストールは正常に完了しています。

※この時のnodistのバージョンは0.8.8です。
インストールする『Node.js』の推奨版を確認する
いよいよNode.jsのインストールですが、まず先にNode.jsの『推奨版』のバージョンを調べる必要がございます。
Node.jsの最新安定バージョンは、日本語公式サイトでは『推奨版』と呼ばれています。
インストールする時点によって推奨版のバージョンは変わってくると思いますので、それを確認するところから解説します。
Step 1
Node.jsの公式へアクセスします。下記画像のように公式トップに『vX.X.X LTS』と書かれているものがNode.jsの推奨版のバージョンです。

※2017年6月13日時点では『v6.11.0 LTS』がNode.jsの推奨版のバージョンでした。
Step 2
今回、公式サイトのトップページからダウンロードできるNode.jsのインストーラは使用しないので、バージョンのみ覚えておきます。
nodistで『Node.js』をインストールする
Step 1
cmderを起動し、nodist + vX.X.Xと記述してエンターを押します。Xには先程日本語公式サイトで確認した推奨版のバージョンが入ります。
下記コードは2017年6月13日時点における推奨版であるv6.11.0をインストールする例です。
nodist + v6.11.0

Step 2
コマンド入力後、再度cmderがコマンドを受け付ける状態(=カーソルが点滅している状態)になるまでしばらく待ちます。
Step 3
以下の画像のようになれば、nodistによるNode.jsのインストールは無事完了です。
しかしこのままではまだ動作しないため、次にnodistでインストールしたNode.jsを利用できるように指定します。

Step 4
以下のコマンドでインストールしたNode.jsを指定します。以下では例としてv6.11.0を指定しています。
nodist v6.11.0

Step 5
最後に念のため、Node.jsが正しく動作しているか確認します。cmderでnode -vとコマンドを打ち込んでください。
node -v
以下の画像のようにNode.jsが指定したバージョンになっていれば完了です。

まとめ
今回はWindowsにおけるNode.jsのインストールに的を絞った記事でしたが、いかがでしたでしょうか?
ターミナルでの操作が多いため、インストールの段階からつまずくポイントの多いNode.jsですが、Windowsではnodistを経由することによって、実は今まで手動で行う必要のあった様々な設定が自動化されています。
一度設定してしまえばNode.jsのバージョン管理が大変楽になりますので、Node.jsをこれからインストールしようと考えている方に、この記事がお役に立てば幸いです。