
「オウンドメディアってなに?」「どうやって作ればいい?」とお考えのWEB担当者も多いのではないでしょうか。

編集長、オウンドメディアってなんですか?

簡単にいうと、自社で運用するWebメディアだよ。
こちらでは、オウンドメディアの概要やメリット・デメリット、作り方を解説するので、ぜひチェックしてみてください。
この記事のレベル
重要度 | (4.5) |
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初心者度 | (4) |
難易度 | (3) |
この記事で学べること
- オウンドメディアの概要
- オウンドメディアのメリット・デメリット
- オウンドメディアの作り方
オウンドメディアとは?
オウンドメディアの定義には様々なものがあります。サービスサイトやブログをはじめ、SNSアカウントや紙メディアなども該当するのです。
オウンドメディアは、広い意味では「企業が運営するWebメディア」を指します。しかし、狭い意味では、「企業が運営するブログや情報サイトといったWebメディア」がオウンドメディアに該当します。
オウンドメディアは、企業が好きなように投稿できる点が特徴です。
オウンドメディアの目的
オウンドメディアからの収入は、基本的には広告費がメインです。しかし、オウンドメディアは収益を得るための間接的な手法でもあり、以下のような目的があります。
ブランディング
「ブランディング」とは、企業やサービスに対するイメージを高めるための取り組みを指します。
オウンドメディアで有益な情報を掲載していくことは、ユーザーからの信頼度向上につながります。ユーザーニーズを満たすことができれば顧客ロイヤリティが高まり、オウンドメディアや企業に対する価値も向上するのです。
リード獲得
リード獲得(お問い合わせや資料請求など)は、BtoBのオウンドメディアで多い運用目的です。自社で提供するサービスに関するメディアであれば、オウンドメディアが上位表示されることで、狙ったターゲットの集客にもつなげることができます。
認知拡大
自社そのものやサービス・商品の認知度が低い場合、会社名やサービス名での検索による集客は難しいといえます。オウンドメディアは、自社について知らない方たちへ情報を届ける、認知拡大を目的として使われることもあります。
採用
自社サイト内の採用ページではなく、採用に特化したオウンドメディアを運用するケースもあります。「採用」をテーマに自社をブランディングするイメージです。
自社の理念や仕事内容を伝えるほか、社員のインタビューなど、自社について様々な角度から伝えるコンテンツを作成することで、採用候補者を集めることができます。
マネタイズ
リード獲得や認知拡大を経て、最終的にマネタイズ(収益化)につなげることも目的の1つです。広告収益や有料記事・有料セミナーの収益、商品購入などで利益を得られるメディアにすることが重要といえます。
アーンドメディア・ペイドメディアとの違い

企業がマーケティングのために活用するメディアには、大きく分けて「オウンドメディア」「アーンドメディア」「ペイドメディア」の3種類があります。この3つを合わせて、「トリプルメディア」と呼ぶこともあります。
アーンドメディアとペイドメディアの特徴は以下です。
アーンドメディア
SNSや口コミサイトなど、第三者(ユーザーや消費者など)が情報を発信するメディアを指します。アーンドメディアは、企業が直接宣伝せずに、ユーザーからの評価や信頼を得ることが目的です。
例えば、Instagramでインフルエンサーが商品を紹介した場合、第三者が発信する情報だからこそ「本音で書かれている」と消費者は判断するのです。
企業側による情報の操作は難しくなりますが、第三者が情報を広めてくれるため、広告費をかけずにプロモーションすることができます。
ペイドメディア
テレビCM・新聞広告・リスティング広告など、有料で広告を出稿できるメディアのことです。費用はかかりますが、狙ったターゲットへ情報を伝えることができるため、見込み客へ効率的なアプローチができます。
オウンドメディアには劣りますが、ある程度自由な情報発信が可能です。
それぞれの特徴を見てわかる通り、「オウンドメディア」「アーンドメディア」「ペイドメディア」は、それぞれ異なるメディアであるといえます。そのため、どれか一つのメディアを選ぶのではなく、3つをうまく組み合わせたマーケティング施策が重要です。

オウンドメディアついて理解できました!

それはよかった!
じゃあ次に、メリットとデメリットを見てみようか。
オウンドメディアを作るメリットとデメリット
オウンドメディアの導入を検討中でしたら、事前にメリット・デメリットも把握しておきましょう。
オウンドメディアのメリット
自社で投稿内容を決められる
アーンドメディアでは口コミなど自社でコントロールできない内容が投稿されますが、オウンドメディアではどのような情報を発信するのか内容を自社でコントロールできます。
自社だけが持っている情報やノウハウなど、他社との差別化を図る目的での情報発信も可能です。自社の主張だけになってしまうと読まれない可能性もあるため、ユーザーに有益な情報を投稿する必要がある点には注意しましょう。
顧客との接点を作れる
ユーザーにとって有益な情報を発信するオウンドメディアは、ユーザーとの接点としても活用されています。ユーザーが気に入る情報を継続的に発信できれば、ユーザーとのコミュニケーションも深まっていくのです。
ブランディング
オウンドメディアのコンテンツへの信頼は、企業への信頼にもつながります。ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供し続ければ、企業のブランド価値も向上するのです。
その結果、他社と比較をせずに選んでもらえたり、商品の価格を落とさずに販売できたりと様々なメリットにつながります。
オウンドメディアのデメリット
運用工数・費用がかかる
オウンドメディアは、立ち上げるまでに初期費用はもちろん工数も必要です。商材やコンセプトの決定からシステムの導入、コンテンツの制作など、様々な作業が必要になります。
また、定期的な情報発信も必要なので、継続的な運用のためにはある程度の工数がかかることを把握しておきましょう。
ノウハウが必要
オウンドメディアを運用するためには、専門的な知識やスキルを持った人材が社内にいる必要があります。コンテンツの企画や制作・分析といった作業には、SEO・Webサイト運用・マーケティングなど、様々なノウハウが必要です。
短期での成果は期待できない
コンテンツを作って公開しただけでは、効果を得ることはできません。SEOで評価を得たり、読者からの信頼を得たりするためにはある程度の時間がかかります。
軌道に乗るためには一定期間必要になることを想定しておきましょう。

日々学びながら、長期目線で運用するのが大切なんですね!

そうだね。デメリットを上回るメリットがあるから、取り組む価値があるんだ。
オウンドメディアの作り方「準備編」
オウンドメディアを作るためには、しっかりとした準備がかかせません。自社で運用するか外注するかはもちろん、以下の設定も事前に検討が必要です。
オウンドメディアのコンセプト・目的を明確に設定
オウンドメディアを作るためには、「どういったメディアにしたいのか」「どのような目的で運用していくのか」を決める必要があります。
コンセプトや目的が曖昧だと、届けたいターゲットに情報が届かなかったり、コンテンツの一貫性がなくなってしまったりします。
そのため、初期の段階でコンセプト・目的を明確に決めておくことが重要です。
ペルソナを設定
ペルソナとは、サービスや商品の典型的なユーザー像のことで、年齢・性別・職業など、細かい属性まで具体的に設定する点が特徴です。
ペルソナの設定によって、ターゲットニーズを深く把握でき、ニーズに応えるコンテンツの提供が可能になります。また、ターゲット像を制作メンバーで共有しておくと、よりスムーズに制作を進められます。

【初心者必見!】SEO対策におけるペルソナ設定の重要性
SEO対策におけるペルソナ設定の重要性やペルソナの決め方をご紹介します。
オウンドメディアの作り方「サイト制作編」
コンセプトや目的、ペルソナの設定が終わったら、サイト制作に進みます。
STEP 1サーバー・ドメインの選定
事前準備が終わったら、環境設定に移ります。外注に依頼する場合は担当者と相談しながら進められますが、自社で行う場合はサーバー・ドメインの選定も行う必要があります。
サーバーを選ぶ場合は、クラウド型かどうか、変更が容易か、容量に問題はないかなどをチェックしましょう。
ドメインについては、企業が取り組むオウンドメディアの場合、既存の企業ドメインのサブドメイン、ディレクトリ分割の活用がおすすめです。
STEP 2CMS・サイトデザインの決定
次は、サイトデザインを決めていきます。
全体の雰囲気や文字の配置、フォント、ロゴなどは、ユーザーからの第一印象を決める重要な要素です。最初に決めたコンセプトや目的も考慮して、違和感のないデザインに仕上げましょう。
サイトデザインには、一般的に「CMS」を活用します。CMSには様々な種類がありますが、オープンソースである「WordPress」が多く使用されています。
STEP 3分析ツールを導入する
オウンドメディアは、公開後の分析と改善も重要です。そのためには、細かい数値まで確認できる分析ツールが必要になります。
Googleアナリティクス、Googleサーチコンソール、GMO順位チェッカーといったツールを活用して、ユーザーの行動分析を行えるようにしましょう。

編集長、準備完了しました!

それでは、実際に記事を作ってみよう!
オウンドメディアの作り方「コンテンツ制作編」
オウンドメディアのサイトが完成したら、実際に掲載するコンテンツ・記事を作っていきましょう。
STEP 1ペルソナの悩みを書き出しテーマ化
まずは、準備の段階で設定したペルソナの悩みを想定して、100個ほど書き出していきます。それに対して、悩みの答えとなるコンテンツのテーマを考えていきましょう。
STEP 2キーワード選定
オウンドメディアの記事は、自然検索からの流入が多くなります。流入数を増やすためには、キーワードの選定が大切です。
SEO対策において、キーワードはコンテンツのテーマになる重要な要素といえます。
設定したターゲットのニーズをもとに、どのようなキーワードで検索しているのか洗い出し、適切なキーワードを選定するよう戦略を考えていきましょう。

SEOライティング前に知っておくべきキーワード選定
「これまでキーワード選定をしたことがない」「今回初めて選定する」という初心者の方に向けて、わかりやすくご紹介します。
STEP 3ライティング
検索エンジンで上位表示されるためには、SEOライティングを意識しましょう。
設定したキーワードの適切な使用はもちろん、ユーザーニーズに沿った記事の作成が重要です。キーワードを使うための文章ではなく、ユーザーが知りたい情報を網羅した文章を提供することが、ユーザーの獲得につながります。
また、ユーザーに不快感を与えないことはもちろん、検索エンジンから評価されるためにも、誤字や脱字、表記ゆれに注意してください。

SEOライティングの基礎!書き方から注意点まで徹底解説!
SEOライティングの書き方から注意点まで、SEOライティングの基礎を解説します。
STEP 4記事を構築
ライティングが完了したら、公開するための作業に入ります。WordPressをはじめとしたCMSに落とし込み、Web上に公開できるよう調整しましょう。

ついに記事が完成しました!
ちなみに、オウンドメディアを運営するうえで、ポイントなどはありますか?

もちろん!成功に欠かせないポイントを3つ紹介するよ。
オウンドメディアを成功させるポイント3選
オウンドメディアは「ただコンテンツを増やすだけ」「ただ続けるだけ」では意味がありません。オウンドメディアを意味のあるものにするためには、以下のポイントを意識しましょう。
POINT 1記事の更新を継続する
オウンドメディアを伸ばしていくためには、何よりも継続が重要です。
オウンドメディアは公開後にすぐ閲覧数が上がるわけではなく、時間をかけて徐々にコンテンツを増やし、内容をより充実させていくことで結果が出てきます。
そのためには業務を担うスタッフの確保はもちろん、ツールを使った効果測定なども実施して、運用体制をしっかり整えることが重要です。
POINT 2PDCAサイクルを回す
記事を更新し続けるだけでは、結果につなげることはできません。
分析ツールを導入して効果検証を行い、課題を改善して記事の質を高めるなど、PDCAサイクルを回し続けることが大切です。
記事の更新頻度にもよりますが、週ごとに数値を確認するなど、定期的にチェックしましょう。
POINT 3ユーザビリティを重視する
ユーザビリティには、「使いやすさ」「便利さ」といった意味があります。ユーザーにとって見やすいかどうかは、オウンドメディアにとっても重要な要素です。
記事の読みやすさはもちろん、ページの表示速度など、ユーザーにとっての見やすさを意識してメディアを作りましょう。

この3つをまずは押さえて運用頑張ります!

何より継続が大切だからね。
毎日コツコツ運用していこう!
オウンドメディアに関するよくある質問
記事はどのくらいの頻度で更新すればいいでしょうか。
オウンドメディアを始めたばかりの場合は、1日1記事の公開をおすすめします。
まずはユーザーに見ていただく記事の母数が必要になりますので、運用初期は毎日更新がおすすめです。ジャンルにもよりますが、まずは100記事更新を目指しましょう。
どのような運用体制でメディアを運用していますか?
SEOタイムズの場合、1日2記事を更新し(2023年3月時点)、編集長1名、ディレクター1名、ライター3名体制で運用しています。
5000文字程度の記事作成を行う場合、工数は約6時間かかる想定で人員計画を行いましょう。
オウンドメディアとSNSの違いって何ですか?
オウンドメディアは様々な情報を発信しつつ、保管しておくものです。それに対してSNSは、最新の情報を伝え、拡散してもらうためのものといえます。
まとめ
本記事では、オウンドメディアの概要やメリット・デメリット、作り方などをご紹介しました。
オウンドメディアの定義は様々ですが、狭い意味では、「企業が運営するブログや情報サイトといったWebメディア」が該当します。
企業のWebマーケティング施策の1つとして注目されており、ブランディング・リード獲得・認知拡大・採用・マネタイズなど、企業ごとに様々な目的で運用されています。
オウンドメディアは、短期間で結果を出すことはできません。
闇雲にコンテンツを増やしても成果にはつながらないため、ツールを活用して効果測定を行い、課題を改善してPDCAサイクルを回していくことが重要です。