
Webサイトの運営に慣れていない方のなかには、「GTMって何?」「どんなメリットがあるの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。

GTM…。この前、編集長が言っていた気が…。

GTMはとても便利なので、これを機にぜひ学んでみよう!
こちらでは、GTMの概要やメリットなどを解説するので、ぜひご一読ください。
この記事のレベル
重要度 | (4) |
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初心者度 | (3.5) |
難易度 | (3) |
この記事で学べること
- Googleタグマネージャー(GTM)とは何か
- GA4の導入においてGTMを使うメリット
- GTMを経由してGA4を導入する方法
Googleタグマネージャー(GTM)とは?
サイト運営にはタグの設定が大切です。「タグ」とは、HTMLで書かれたページをどう表示させるのか指示する命令文のことです。
SEO対策においては、HTMLタグ・コンバージョンタグ・ツール用制御タグなどが重要といわれています。
1つのサイトに様々なタグが埋め込まれており、サイト運営のためには、それぞれのタグをうまく管理する必要があります。
タグの管理を効率的に行いたい場合は、「Googleタグマネージャー(GTM)」を活用しましょう。
Googleタグマネージャー(GTM)は、Googleが提供するツールの1つです。複数のタグを一元管理できるツールで、無料で利用できます。
通常、Webサイトには様々なツールや広告媒体のタグが混在しています。
Googleアナリティクスをはじめとする「解析ツール」や、リスティング広告・ディスプレイ広告といった「広告」など、それぞれの管理画面から発行されるタグをWebサイトに埋め込む必要があるのです。
しかし、ツールや広告媒体が増えるたびにWebサイトへタグを設置するのは、とても手間がかかってしまいます。手作業でタグの貼り付けを行うと、ミスにつながってしまいかねません。
そこで活用したいのが、GTMです。GTMを活用すると、様々なタグを1つにまとめることができます。
「ワンタグ」と呼ばれる共通タグを対象のページに設置して、管理画面にGoogleアナリティクスや広告のタグを登録します。そうすることで、管理画面からタグの変更や更新ができるようになるのです。

GTMが導入されていない場合、HTMLタグの変更・更新などを行う際は、知識のある開発担当者などに依頼する必要がありました。
しかし、GTMの導入によって管理画面内でタグの変更や更新ができるため、HTMLの知識が少ない方でも、効率的にタグの管理ができるのです。
GA4の導入でGoogleタグマネージャーを使うメリット
Webサイトを運営している方であれば、Googleアナリティクスを使ったことがある方も多いのではないでしょうか。
Googleアナリティクスは、これまでユニバーサルアナリティクス(UA)と呼ばれるバージョンが一般的でしたが、2023年7月1日でUAのサポートは終了してしまいます。そのため、2023年7月までに新しいGoogleアナリティクス4(GA4)に移行する必要があるのです。
GA4の導入をお考えの際も、ぜひGoogleタグマネージャー(GTM)の利用をご検討ください。GTMを使ったGA4の導入には、以下のメリットがあります。
MERIT 1タグを一括管理できる
前項でも記載しましたが、GTMの活用によって様々なタグを一括で管理できます。
これまでは計測対象となるページそれぞれにタグを埋め込む必要があり、更新や変更を行う場合もそれぞれのページで作業を行う必要がありました。
しかし、GTMのタグであれば導入時に計測対象ページに貼り付けるだけで、その後の更新などはすべてGTMの管理画面上で対応できます。手動でタグを貼り付けるのは1回だけなので、より効率的に作業できます。
どのタグを設置しているのかも管理画面からチェックできるため、タグの数や種類が増えても管理が容易です。
MERIT 2タグ設定の修正が簡単
タグの設定にミスや不具合があると、計測がうまくできないことがあります。特にGA4は日々バージョンアップが行われているツールですので、これまで問題なかったタグが急に作動しなくなった、といったトラブルが起こる可能性もあるのです。
GTMではバージョンごとにタグの設定ができるため、正常に作動しない場合、管理画面からトラブルが発生する前のバージョンに戻すことが可能です。
何か問題が起こったとしても、計測できていた以前のバージョンに戻せる点は、大きなメリットといえます。
また、タグを公開する前にプレビューモードを使用したテストもできるので安心です。
MERIT 3互換性が高い
両者はどちらもGoogleが提供しているツールです。連携させて使うことが想定されているため、互換性が高い点がメリットです。GTMには「GA4設定」や「GA4イベント」といったタグが最初から用意されており、複雑な設定もなく初心者の方でも簡単に連携させることができます。
それぞれの設定方法は大きな変化がないため、これまでも計測でGTMを使用していたのであれば、引き続きGA4でも使用するのがおすすめです。

GTMを使ってGA4を導入するとメリットが多いんですね!

そうなんだ。それでは次に、具体的な導入方法を紹介するよ。
Googleタグマネージャーを使ってGA4を導入する方法
こちらでは、Googleタグマネージャー(GTM)を使ってGA4を導入する方法を解説します。GTM経由でGA4を導入するためには、それぞれのアカウントが必要なので、事前に準備しておきましょう。
以下で導入のための工程ごとに手順を解説するので、ぜひチェックしてみてください。
GA4で測定IDを抽出する
- GA4の管理画面を開く
- 画面左下の「歯車マーク(管理)」→「データストリーム」→「ウェブ」の順でクリックし、計測対象のサイトを選択
- 「ウェブストリームの詳細」画面から、右上の「測定ID」をコピー
GTMにGA4のタグを設置する
- GTMの管理画面(ワークスペース)を開く
- 左メニューから「タグ」をクリック
- 画面右上の「新規」をクリック
- タグの名称を任意の名称で入力し、「タグの設定」をクリック
- 画面右側のリストから「Googleアナリティクス:GA4設定」をクリック
- 先ほどGA4からコピーした「測定ID」を貼り付ける
- 「トリガー」の空白部分をクリック
- 測定対象ページとして「All Pages」をクリック
- タグの設定をチェックして問題がなければ、画面右上の「保存」をクリック
GTMタグが発火するか確認する
- GTMのワークスペースの「タグ」→「プレビュー」の順でクリック
- 「Tag Assistant」画面になったら、測定IDを入れた対象サイトのURLを入力
- 「Connect」ボタンをクリック
- 別ウインドウで対象サイトが開きますがGTMのプレビュー画面に戻り、先ほど設定したタグが「Tags Fired」と表示されているか確認

ここまで確認できたら、GA4の導入は完了だよ。計測のデータが反映されれば、様々なデータを見ることが可能なんだ。
GA4設定に関するよくある質問
GA4導入後に設定すべき項目はありますか?
データの保持期間の設定を変更しましょう。変更方法についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

【GA4とは?】初心者にもわかりやすくGA4の使い方を徹底解説!
「GA4への移行が必要だといわれているが、なにから始めたらいいのかわからない」とお悩みではありませんか?多くの企業が導入しているUAと、新たにリリースされたGA4には、様々な違いがあります。ここでは、GA4の概要や使い方についてご紹介します。
Googleタグマネージャー(GTM)でGA4を設定する際のポイントはありますか?
Googleタグマネージャーを導入する前にGA4を導入していた場合は、二重計測に注意しましょう。
二重計測とは、すでに入っているGA4タグを消さずに、GTMのタグを入れてしまうことです。GTMのタグでGA4の計測もできるため、タグが重複してしまうことになります。そのため、既存のGA4タグは削除するようにしましょう。
GTMタグの「発火」とは何ですか?
「発火」は「正常に動作する」ことを意味します。
タグが発火している状態であれば、設定した条件が満たされたときに、GAにデータが送られます。
まとめ
Googleタグマネージャー(GTM)はGoogleが提供するツールの1つで、複数のタグを一元管理できる点が特徴です。
GTMは、GA4の導入にも役立ちます。GTMを経由してGA4の導入を行えば、「タグを一括管理できる」「タグ設定の修正が簡単」「互換性が高い」といったメリットがあるのです。
導入や設定も難しいものではないため、初心者の方でも簡単に利用できます。
複数のタグを導入するとタグの設置や変更が複雑になってしまい、ミスにつながりかねません。GTMを活用すれば、そういったミスを防げる可能性があります。
GTMを活用して、より効率的な運用・管理を行っていきましょう。