
2023年7月1日、UAが閉鎖されGA4に完全移行となることが決まっています。Web担当者であれば、少しでも早くGA4の操作感に慣れておかなければなりません。

ヤバい!まだUAからGA4に移行していない。UIが全く違うから使いにくそうで。。。

そうだけど、完全移行してから使えないと事業に影響が出てしまうよ!急ごう!
UAとGA4では機能性・操作性に大きな違いがあり、それはコンバージョン設定でも同様のことがいえます。
今回の記事では、GA4のコンバージョン設定について解説します。
この記事のレベル
重要度 | (4.5) |
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初心者度 | (4) |
難易度 | (2) |
この記事で学べること
- GA4におけるコンバージョン設定の重要性
- UAとGA4のコンバージョンの違い
- GA4の基礎知識
- GA4のコンバージョン設定の方法
そもそもコンバージョンとは!?
そもそもコンバージョンとは、Webサイトへ訪問してきたユーザーの行動に対する「目標」を指します。
例えば、商品の購入・サービスの利用・申し込み・資料請求などが当てはまります。
何をコンバージョンとするかはWebサイトの運営次第ですので、ひとくちにコンバージョンといっても様々ある点が特徴です。
Webサイトを運用する際に最も重要な指標であり、運用における最大の目的ともいえるでしょう。
UAやGA4では任意のコンバージョンを計測・記録できる仕組みが整っており、成果を数値化したり、運用の課題を見出したりするのに非常に役立ちます。
GA4を導入した際には、必ずコンバージョン設定を行いましょう。
GA4とUAのコンバージョンの違い
冒頭にて述べたように、UAとGA4では仕組みが異なります。ここではそれぞれの違いについて解説しますので、1つずつ確認していきましょう。
設定方法の違い
UAにおけるコンバージョンの計測は「目標設定」によるものでしたが、GA4では「コンバージョン設定」になります。
そのため、そもそもの導入方法が異なります。設定の詳しい方法については次の項目にて解説しますので、そちらをご確認ください。
なお、GA4は「コンバージョン設定」を完了しない限り計測が開始しません。設定完了後に計測が開始されるため、それ以前の過去のデータは取れない点に注意してください。
移行や導入をした時点で、早めに設定を済ませることをおすすめします。
カウント方法が異なる
Webサイトを運用する上で最も影響が懸念されるのが、カウント方法の違いです。はじめに、GA4のコンバージョン数の方が多くなる点を押さえておきましょう。
UAでは、1回のサイト訪問(セッション)で複数回同じコンバージョンがあっても1回しかカウントされません。
一方のGA4では、1回のサイト訪問でも何度もカウントが行われます。GA4の数値が多くなるのは、このカウント方法の違いが要因です。
例を考えてみましょう。「応募画面ページへの移行」をユーザー行動のゴールと仮定します。ここで、ユーザーが1回の訪問で2回応募画面へアクセスしたケースはどうなるでしょうか。
UAでの数値は1回となりますが、GA4では2回となります。
このような違いは、そのままデータ分析に影響します。GA4へ移行した際には、数値が増えたとミスリードしないように気をつけましょう。

単純な比較だけはしないように気をつけてね。

はい。数値の違いを実感するためにも早めに移行した方がいいですね。
GA4ではイベント設定が必要
GA4では、「スクロールする」「リンクをクリックする」などのユーザーの行動をすべて「イベント」として収集しています。従って、コンバージョンを計測するには目標とする「イベント」の設定が必要です。
UAでは「目標」と「eコマース」での設定が必要であったため、ここでも仕様に違いがあることがわかります。
設定の自由度としては、選択肢の制限がほとんどないGA4の方が高いといえるでしょう。
ただ、設定が完了したとしても、そのままでは計測が開始されません。「イベント」ページの一覧で、トグルをオンにしなければならない点に注意してください。
GA4のコンバージョン設定の基礎知識
それでは、実際にGA4のコンバージョン設定をする際に知っておきたい基礎知識について確認していきましょう。ここでは4つご紹介します。
コンバージョンはイベントとして設定する
GA4でコンバージョン設定をする際は、それぞれのWebサイトに応じた「イベント」を設定する必要があります。
前述のように、「イベント」とはサイト内におけるユーザーの行動のことです。
「資料を請求する」「商品を注文する」などはすべて「イベント」としてデータが収集され、これをコンバージョン設定することでデータを分析しやすくなります。
イベントの種類全4種
GA4には、4つのイベントの種類があります。自動的に収集されるものや手動で設定する必要があるものなど、種類によって特徴が異なりますので最初に押さえておくと便利です。
自動収集イベント
文字通り、特に設定の必要もなく、自動的に収集してくれるイベントのことです。代表的な具体例には、以下のようなイベントが挙げられます。
- page_view(ページ閲覧数)
- session_start(訪問回数)
- scroll(Webページの90%以上をスクロールした回数)
- click(外部リンクのクリック回数)
他にも様々なイベントの種類がありますので、すべて知りたい方はGoogle公式サポートサイトを参照してください。
拡張計測機能イベント
自動収集イベントの中で、収集するかはユーザー次第で決められる選択型のイベントのことです。
新たにコードを設定する必要がないため、簡単に適用できます。具体的なイベントは以下の通りです。
- form_start(フォームへの初回アクセス)
- form_submit(フォームの送信)
- video_start(動画再生の開始)
- video_progress(動画再生時間の進捗)
比較的意欲の高いユーザーに関するデータを計測できるのが特徴です。必要なイベントを抽出して、データ分析に役立てましょう。
他のイベントについて知りたい方は、以下のGoogle公式サポートサイトを参照してください。
推奨イベント
Googleの推奨したイベントのことで、必要に応じて手動で設定します。
Webサイトの業種や用途別にあらかじめリストアップされていますので、ニーズに合わせて選択すると良いでしょう。
「すべてのプロパティ向け」として設定されている推奨イベントの代表例は以下の通りです。
- login(ユーザーログイン)
- purchase(購入完了)
- select_content(コンテンツの選択)
- share(コンテンツのシェア)
これらの推奨イベントは業種に関係なく適用しやすいため、GA4を導入した際にはまず確認してみることをおすすめします。
他にも「ゲーム向け」「オンライン販売向け」などの推奨イベントがリストアップされています。詳しくは以下のGoogle公式サポートサイトを参照してください。
参照:[GA4] 推奨イベント
カスタムイベント
自由度高くイベントを設定したい際には、カスタムイベントを活用しましょう。
他のイベントとは異なり、管理画面・GTMなどを活用して手動で設定しなければなりません。
手間はかかりますが、独自の基準でイベント名・パラメータ名を設定できるため、運用するWebサイトの目的により近い、有用なデータを収集できます。
具体的には、以下のようなイベントが挙げられます。
- 特定のリンクのクリック数
- 指定した割合のスクロール
- 特定のページのクリック数
自動収集イベントに既出のイベントでも、計測される条件が合わない場合にはカスタムイベントで自由に条件を設定できます。
例えばスクロールについては、自動収集イベントでは90%が条件になっていますが、カスタムイベントでは50%・75%といったように好きな数値に設定できるので非常に便利です。
ユーザーがどのページで離脱することが多いのかを可視化できるため、サイト分析に大いに役立てられます。
基本的には「自動収集イベント」「推奨イベント」から必要なデータを抽出することをおすすめしますが、ニーズに合うものがない場合にはカスタムイベントを活用しましょう。
1つのプロパティに30個まで
GA4は、プロパティ1つにつきコンバージョンを30個まで設定できます。UAは20個までだったので、設定の幅が大きく広がったといえるでしょう。
設定をしなくとも、イベントで計測できるものも多くありますので、上限については心配しなくても問題ありません。
UAよりコンバージョン数は多くなる傾向がある
前述のように、GA4はコンバージョンがある度にカウントする仕組みになっています。
そのため、1回のサイト訪問(セッション)につき1回までしかカウントしないUAと比べて、コンバージョン数が多くなる可能性があります。
GA4への移行の際には、数値の加減がブレてしまうことに注意してください。
GA4でコンバージョン設定をする際に必要なもの
コンバージョン設定をする際には、あらかじめ準備しておかなければならないことがあります。ここでは、2つの欠かせない準備について確認していきましょう。
サンクスページの準備
サンクスページとは、ユーザー行動に対して感謝の気持ちを伝えるために作られたページのことです。
例えば「ご注文ありがとうございます。」といったように、ユーザーが最後に見るページが該当します。
サンクスページに推移したということは、正常に受付できたということになりますので、成果を確認する際には欠かせない準備です。
作成の準備だけでなく、正常にページが推移できているかまで確認しておきましょう。
コンバージョンを獲得するページやバナーの準備
設定をする際の要ともいえるのが、コンバージョンを獲得するページやバナーです。
お問い合わせ・商品の注文といったユーザー行動を反映するための大切なページですので、正常に作動するか事前に確認しておきましょう。
オンライン販売などのECサイトの場合には、決済ページも忘れずに準備しておいてください。

コンバージョンを測定するための、トリガーを準備しましょう!
GA4のコンバージョン設定方法【新規作成編】
それでは、実際のGA4におけるコンバージョン設定方法について確認していきましょう。ここでは新規に作成する場合を取り上げます。

STEP 1 イベントを設定する
まずは、イベントの設定をします。左側の一覧から「管理」のページにアクセスしてください。
その中の「イベント」から新たにイベントを設定します。

STEP 2 イベントにコンバージョン設定
完了したら、コンバージョン設定の作業に移ります。
特に難しい作業はなく、「コンバージョンとしてマークを付ける」のトグルをオンにするだけです。
簡単な作業とはいえ、トグルをオンにしない限り計測は開始されませんので、忘れないように気をつけてください。
GA4のコンバージョン設定方法【GTM編】
次に、GA4のコンバージョン設定をGoogleタグマネージャー(GTM)によって行う方法を見ていきましょう。GTMは、タグを一元管理できる便利なサービスです。

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「Googleタグマネージャー、なんとなく複雑そうで使うのをためらっている。」そんなWeb担当者も多いのではないでしょうか。 しかし、「Googleタグマネージャー」を活用すれば、タグを一括管理できる、Webの表示速度に…
GTMを使用する際は、まずGTM上でイベントを設定しましょう。以下のようにタグを作成してください。

GTMでの設定は、少し複雑で難易度が高いから、初心者はGA4で設定するのがおすすめです!

①タグの種類:Googleアナリティクス:G4イベント
②設定タグ:「Googleアナリティクス:G4イベント」に紐づいたタグを選択
③イベント名:任意
④イベントパラメータ : 任意
⑤ユーザープロパティ : 任意
⑥トリガー:任意
完了したら、忘れずにタグを公開してください。

これでGTM上での作業は終了です。
次にGA4上での設定に移りますが、基本的な動作は【新規作成編】と同様です。イベントを設定した後に、忘れずにトグルをオンにしてください。
これにて設定は終了です。
コンバージョン設定後は必ずGA4で確認
設定が完了したら、必ずGA4で確認を取りましょう。

コンバージョン数は「レポート」→「リアルタイム」画面から確認できます。きちんと計測できているかチェックしましょう。
正しく集計できていないときのチェックポイント
データを計測できるようになるまで時間がかかる場合もありますが、数時間〜2日後には確認できることがほとんどです。
設定に問題がなければ、時間経過とともに計測できるようになるでしょう。
イベントのデータが取れているのにもかかわらず、コンバージョンが計測されない場合には、UAタグを引き継いでいることが要因の可能性があります。
新たにGA4タグで設定をし直すなどの対処を取りましょう。
イベント自体が計測できていない場合には、イベント設定に問題がある可能性を指摘できます。
リアルタイムレポートやDebugView(デバッグモード)で確認して、計測に支障が生じていないか確認してみてください。
まとめ
UAとGA4では、コンバージョンの仕組みが大きく異なります。UAにおけるコンバージョンの計測は「目標設定」によるものでしたが、GA4では「コンバージョン設定」になります。
設定をしない限り計測が始まらないため、導入した時点ですぐに済ませるようにしましょう。 基本的な手順は、目標とするユーザー行動のイベントを作成した後にトグルをオンにするだけです。
イベントは「自動収集イベント」や「推奨イベント」から抽出するのが基本ですが、ニーズに合うものがなければ「カスタムイベント」として手動で作成しましょう。
繰り返しにはなりますが、UAの計測終了時期は2023年の7月1日です。期限が近づいてきているため、早めにGA4を導入して操作感に慣れておくことをおすすめします。