弊社に多くのWeb担当者からいただく質問の一つに、「AI生成コンテンツについて」があります。
最近話題の「AI」をSEO対策に取り入れたいです!
それでは、AI活用について学んでいこう!
「コンテンツ作成に使えるAIツールはどれか」「AIツールでSEO対策を行うメリット・デメリットは何か」を知りたいWeb担当者は多いでしょう。こちらでは、AI生成コンテンツとSEO対策について詳しく解説します。
この記事のレベル
重要度 | (5) |
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初心者度 | (4) |
難易度 | (3) |
この記事で学べること
- 3大AIツールの最新動向
- AI生成コンテンツでSEO対策をするメリット・デメリット
- SEO対策で有効なAI活用例
SEO対策におけるコンテンツの重要性
SEO対策におけるコンテンツの重要性は非常に高く、検索エンジンでの上位表示に不可欠です。良質なコンテンツを提供することで、検索エンジンからの評価が高まります。
また、コンテンツが充実しているサイトはユーザーにとっても有用なため、リピーター獲得につながります。継続的に新しいコンテンツを投稿し、サイトの更新頻度を上げることもSEO対策では重要と考えられています。
しかし、良質なコンテンツを継続的に作成するには、人材の確保が必要です。
また、コンテンツ作成に時間がかかったり、SEOの専門知識が必要だったりするため、「ハードルが高い」と感じるWeb担当者も多いのではないでしょうか。
このような状況から、効率よく良質な記事作成をする一つの手段として、AIを活用する動きが高まっています。
たしかに、AIを活用できれば効率よく記事作成できそうです!
AIツールの最新動向
コンテンツ作成に使えるAIツールを3つ紹介します。
以下に各ツールの違いをまとめましたので、参考にしてください。
ChatGPT | Bing AI | Google Bard | |
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運営会社 | Open AI | Microsoft | |
料金 | 無料 有料版:月額20ドル |
無料 | 無料 |
無料で利用できる範囲 | GPT-3.5 | すべての機能が使える | すべての機能が使える |
性能 |
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操作性 |
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TOOL 1ChatGPT
ChatGPTは、2022年11月に公開された対話型のチャットボットツールです。テキスト入力スペースに質問を入れると、高精度な回答をしてくれます。
最近ではChatGPTでAIとの会話を楽しむ人や、ビジネスに活用するケースが増えています。2023年3月には有料ユーザー向けに「GPT-4」がリリースされ、さらに賢くなりました。
TOOL 2Bing AI
Bing AIは、2023年2月から検索エンジンBingに搭載されたAIチャット機能です。調べたいことを入力すると、検索エンジン内の情報をわかりやすくまとめて回答してくれます。
最近ではメール作成やPDF・Webサイトの要約をするなど検索AIの域を超え、あらゆるサービスのCopilotとしてMicrosoft製品に組み込まれています。
TOOL 3Google Bard
Google Bardは、Googleが開発した会話型AIツールで、米国時間の2023年3月21日に一般公開されました。日本では4月19日頃から登録受付を開始しています。
Bing AI同様、チャットで質問するとWeb上から情報を検索して自動返答する仕組みです。今後は英会話の練習やGoogleマップと連携したホテル予約などでの活用が期待されています。
AI生成コンテンツに対するGoogleの見解
でも、AIで生成したコンテンツをWebサイトに掲載してもいいのでしょうか…。
結論をいうと、Googleは文章の作成にAIを使うこと自体は問題でないと考えています。制作手段よりも、コンテンツの品質を重視しているからです。
コンテンツがどのように制作されたかではなく、その品質に重点を置く Google の姿勢は、信頼できる高品質な検索結果をユーザーに提供するうえで、長年にわたって有用な指針となってきました。
引用:Google検索セントラル「AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」
例えば、天気予報などの情報を自動生成する際にAIを利用することは、重要な情報の提供に役立ちます。
また、特定の分野の技術的な専門用語やデータを説明するために、AIを利用することも考えられます。このような視点から考えると、AIを利用したコンテンツ作成は問題とはいえません。むしろユーザーへの有益な情報提供につながります。
しかし、ユーザーの利益等を考えず、検索順位を上げるためだけにAIを利用することは、Googleのポリシー違反とみなされるので注意が必要です。
自動生成コンテンツに関し、Google は一貫したガイダンスを提示してきました。検索結果のランキング操作を主な目的として、コンテンツ生成に自動化(AI を含む)を利用することは、スパムに関する Google のポリシーに違反します。
引用:Google検索セントラル「AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」
SEO対策で重視されているポイント
SEO対策で重視されているポイントは、以下の3つです。
- 検索ニーズを満たすコンテンツを提供すること
- E-E-A-Tを基準とした質の高いコンテンツを提供すること
- ユーザーが使いやすいサイトづくりを行うこと
検索エンジンのアルゴリズムは、ユーザーの検索ニーズを満たすコンテンツを上位表示するように設計されています。そのため、キーワードリサーチや問題意識の分析を通じてユーザーが求める情報を把握し、満足度の高いコンテンツを作成する必要があります。
また「読みやすく簡潔であること」「検索エンジンが理解しやすいコンテンツにすること」も重要です。
E-E-A-TとはGoogleが定めたWebサイトの評価基準で、以下の内容を指します。
Google の自動システムは、さまざまな要因に基づいて優れたコンテンツをランク付けするように設計されています。関連するコンテンツを特定した後、最も役に立つと判断されたコンテンツに高い優先順位を付けます。
そのために、どのコンテンツが、エクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)、すなわち E-E-A-T の面で優れているかを判断するための要素の組み合わせを特定します。
引用:Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」
上記内容に沿ったコンテンツを作成すると、SEO効果が期待できるでしょう。
なお、SEOでは、ユーザーが使いやすいサイトであることも重要です。
具体的には以下のようなサイトを指します。
- ページの読み込みが早い
- 情報が適切に整理されている
- 図解やデザインなどでわかりやすく伝える工夫をしている
- スマートフォンやタブレットでも使いやすい
- 読みやすいコンテンツが提供されている
Googleはユーザビリティの高いサイトを評価します。ユーザーが使いやすいサイト作りを意識しましょう。
SEO対策でAIを使うメリット
「AIを使うと便利」ということは知っていると思うが、「どう便利」なのか知っているかい?
SEO対策でAIを使うメリットは、以下の2つです。
- 人件費の削減
- アイデア出しが可能
MERIT 1人件費の削減
SEO対策には「キーワードの選定やコンテンツの最適化」「内部リンクの最適化」など、さまざまな作業が必要です。しかし、これらを一つひとつ手作業で行うのには、時間も人件費もかかります。
AIを活用すれば、必要な作業を自動で行うことが可能です。
例えば、AIでキーワードの選定やコンテンツの最適化に取り組むことで、人がやるよりも正確かつ迅速に対応できます。また、AIによる分析で得られたデータをもとに、SEO対策の戦略立案に役立てることも可能です。
このようにAIを活用すると時間や手間がかかる作業を自動化できるため、人件費の削減につながります。
MERIT 2アイデア出しが可能
SEO対策において、品質の高いコンテンツは必要不可欠です。
よいアイデアが浮かばないとコンテンツを作成すること自体が難しくなりますが、人間だけでアイデアを出し続けるのは困難な面もあります。そのような場面でAIを活用すれば、アイデア出しをより効率的に行うことが可能です。
例えば、キーワードに関する情報を収集し、競合サイトを分析して、差別化したコンテンツを作成するためのアイデアを提供してくれます。考えても思いつかないような、新しいアイデアを出してくれることもあるでしょう。
アイデア出しに行き詰まったときや、別の角度からの考えを聞きたいときなどに役立ちます。
なるほど!「作業を自動化できる」「アイデア出しを効率的にできる」という点は大きなメリットですね!
SEO対策でAIを使うデメリット
SEO対策でAIを使うデメリットは、以下の2つが挙げられます。
- 修正作業が必須
- 事実確認が必須
DEMERIT 1修正作業が必須
AIで生成したコンテンツは、文法が変だったり、不自然な表現が使われていたりすることがあります。また、ユーザーのニーズや感情に応える内容でなかったり、ターゲットへの配慮が欠けていたりすることもあります。
コンテンツを素早く作成できても、ユーザーの満足度を満たせない内容ならば、SEO効果は期待できません。そのため、AIで文章を作成した後は、文章を読み返し、不自然な箇所は手直しをしましょう。
DEMERIT 2事実確認が必須
AIが自動生成したコンテンツは、必ずしも正確であるとは限りません。AIは大量のデータを学習して作業を行うため、誤った情報を含めた文章を生成する場合もあります。
そのため、AIによるコンテンツを利用する場合は、事実確認を行うことが必須です。特に、健康や法律、金融などの分野では、誤った情報が混ざることで大きな被害につながる可能性があります。
該当の分野でなくとも、誤った情報を公開すればサイトへの信頼度に影響をおよぼしかねません。
コンテンツを公開する前に、必ず人の目でチェックをしよう!
SEO対策で有効なAI活用例
SEO対策で有効なAIの活用例として、以下4つを紹介します。
- 記事タイトルテーマを考える
- 記事の構成案を考える
- メタディスクリプションを作る
- 誤字脱字チェック、翻訳に活用する
CASE 1AIで記事タイトルテーマを考える
ユーザーは「記事タイトル」を見て、サイトに訪れるかどうかを判断します。興味をそそるタイトルでないとコンテンツを読んでもらえないため、わかりやすく魅力的なタイトルを付けることが重要です。
しかし、一度に何個もタイトルを考えるのは大変な面もあります。そこでAIを活用すれば、一度に何十個もの記事タイトルを考えることが可能です。
AIでタイトルを考えたいときは、AIチャットツールに「SEOで上位表示を狙いたいキーワード」を入力します。さらに「検索エンジンで検索上位に表示されるタイトル案を〇個教えてください」と指示すれば完了です。
数分以内に指定の個数のタイトル案を提案してくれます。提案内容から記事内容に合うものを選び、トンマナに合うよう修正してから利用しましょう。
CASE 2AIで記事の構成案を考える
AIを活用して、記事の構成案を考えるのもおすすめです。実際には競合の構成チェックやサジェストキーワードの考慮なども必要なため、AIで作成した構成案をそのまま使用するのは難しいですが、一から作成するよりも大幅に時間を短縮できます。
AIで構成案を作成するときは、「ターゲット」「記事の内容」「盛り込みたい情報」をAIに入力してください。入力情報が詳細であるほど充実した構成が作成されやすくなります。
入力後、「上記の仕様に従って記事の構成案を作成してください」と指示すれば、数分以内に記事構成が作成されます。構成案の作成時間を短縮したいときや、悩んだときに活用してみてください。
CASE 3AIでメタディスクリプションを作る
メタディスクリプションは、ユーザーのクリック率に影響を与える重要な要素です。AIによるメタディスクリプションの作成では、まず「使用したいキーワード」と「要約したい文章」を入力します。その後、「キーワードを必ず使用するようにし、上記の文章を要約してメタディスクリプションを作成してください」と指示します。
出力された文字数が多すぎる場合は、文章を分割して要約しましょう。要約したものを合わせて最終的なメタディスクリプションを作成することをおすすめします。
CASE 4誤字脱字チェック、翻訳に活用
コンテンツの公開前に、誤字脱字のチェックは必須です。しかし、人の目でチェックするのには限界があります。
AIを活用すれば、素早くチェックを行うことが可能です。誤字脱字のチェックをしたいときは、対象の文章をAIに入力し、「上記文章の誤字脱字のチェックをお願いします」と指示します。
翻訳に活用したいときも同様の流れで行い、「上記文章を翻訳してください」と指示すれば、数分で完了します。
すごい便利!さっそく、記事作成で試してみます!
私たち人間がやるべきことは何か?
AIでコンテンツを作成する際に、人間がやるべきことは以下の2つが挙げられます。
- 質の高いコンテンツの作成
- オリジナル情報を書き加える
POINT 1質の高いコンテンツの作成
SEOで高く評価されるのは、「ユーザーの役に立ち、満足度の高いコンテンツ」です。このようなコンテンツを作成するために、Googleは「E-E-A-T」を定めています。E-E-A-Tの概要は、以下のとおりです。
各項目 | 具体的な内容 |
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Experience (経験) |
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Expertise (専門性) |
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Authoritativeness (権威性) |
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Trustworthiness (信頼性) |
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ユーザー目線に立って考えると、「実体験に基づくコンテンツ」や「専門性の高いコンテンツ」の価値の高さは理解できるでしょう。
また、無名・無資格の人物よりも有識者の発信するコンテンツを信頼し、読みたいと感じる人が多いのも頷けます。このようにE-E-A-Tは、「ユーザーの役に立ち、満足度の高いコンテンツ」に沿う内容になっています。
しかし、AIが作成するコンテンツは、E-E-A-Tの内容を満たすものとは言えません。AIが学習した内容を文章化しているため、他のサイトと代わり映えのないコンテンツが出来上がってしまいます。
したがって、AIが作成したコンテンツに実体験や独自の研究データを盛り込んだり、より深い専門的な見解を加えたりして、より満足度の高いコンテンツを作成することが重要です。信頼性の高いコンテンツにするためにも、ファクトチェックや裏付けも欠かさず行いましょう。
POINT 2オリジナル情報を書き加える
AIによるコンテンツ作成は効率的ですが、他のサイトからの抜粋や類似したコンテンツが含まれていることがあります。重複や類似したコンテンツが検出されると、検索エンジンのアルゴリズムによって低評価を受け、検索順位が低下する可能性があります。
よって、AIでコンテンツを作成する際には、オリジナル要素を書き加えることが重要です。オリジナルコンテンツを書き加えると他のサイトとの差別化につながり、重複コンテンツとみなされにくくなります。
また、オリジナルコンテンツはコンテンツの質やユーザー満足度の向上にもつながるため、検索エンジンからの評価を高められるでしょう。
オリジナル要素を書き加える際には、E-E-A-Tの一つである「Experience(経験)」を意識するのがおすすめです。実体験を書き加えると、より一層Googleに評価されやすくなります。
AI活用におけるSEOタイムズ編集部の見解
AI活用で、検索順位に変化は起こらないのでしょうか?
弊社の調査結果では、AIの活用によって検索表示順位や検索ユーザー数の短絡的な変化は少ないと考えられます。しかし、今後は業種によって、AIの活用がさらに加速する見通しです。
AIの活用が当たり前となる時代が訪れることを踏まえ、以後は人間にしかできないことや自社にしかできないことに取り組み、コンテンツに反映させていきましょう。
リアルな体験談や事例はオリジナル要素が高く、AIや他社には真似できません。
独自の調査結果や研究データといった一次情報の発信も有効だ!
検索エンジンで高い評価を得ることはもちろんですが、今後訪れる未来のAI市場の拡大に備えるためにも、上記の考えをもとに取り組むことが重要といえます。
まとめ
AIツールを活用すると、コンテンツの作成を効率よく行うことが可能です。Googleはコンテンツの品質を重視し、AIの使用有無でSEO評価が下がるわけではないので、積極的な活用は問題ないと考えられます。
しかし、AIツールで作成された文章は不自然な表現が使われていたり、誤った情報を含んでいたりするため、修正やファクトチェックは必須です。
また、重複・類似コンテンツになりやすい傾向もあるので、人の手でオリジナル要素を書き加えるのが望ましいでしょう。
AIツールを活用するメリット・デメリットを理解したうえで、上手にSEO対策に役立てていきましょう!